本当はブログに書くのも嫌だったのですが、ネット上の評判があまりにも高すぎる。これは不公平です。 ネットリテラシーのある映画ファンならば、あまりにも一方的すぎるレビューしか無いと、逆に不審に感じるはずです。いや、そうでなくてはならない。 公平性を期すために、あえて良い点を全然書かない感想を投下します。 もちろん、ネタバレ全開で行きますので、ネタバレ厳禁な人は、ネタバレなしの批判レビューを探してくださいまし。
 

 

 

 

 

それではいきます。 ※ spoiler alert ※

 

 


まずこの映画は、ポスターや予告で描かれるように、 第二次大戦✕ゾンビ映画だという事前認識を持って、視聴者の多くが視聴にあたっているという前提で話します。
 
映画第二次世界大戦の、D-DAY前夜、空挺師団の降下のシーンから始まります。
本作のタイトル「Overload」は、ノルマンディー上陸作戦;オーバーロード作戦から来ていることがわかります。

 

主人公が黒人なのですが、この時代まだまだ人種差別はあり、黒人が一般の部隊には配属されておらず、隔離された個別の部隊としては存在していましたが、 とうぜん各空挺師団に黒人が居たという記録はありませんし、歴史的背景を加味しても「通常の部隊に黒人は居なかった」というのが一般認識です。 もうこの時点で史実考証云々は吹き飛んでいて、黒人を主演に使ってしまった時点で、第二次大戦のリアリズムは消失していると言ってもいい。 とはいえ、昨今のきびしいポリコレ対応のためと、ここは百歩譲って妥協しましょう。
 
主人公たちが乗る飛行機は、対空砲の迎撃を喰らって、落下傘の降下地点がズレてしまう。
このズレてしまった地域が、ナチスの怪しい研究所のある地域だった。 ここまでテンプレ… と言わんばかりの王道展開ですが、まあいいでしょう。このあと派手にやってくれれば。

しかし、そこからが地獄だった(視聴者にとって
 
10分経過…まだゾンビが出ない。 もうちょっとかな?

20分・・・まだ、まだ出ない。 う~ん・・・

30分・・・うそだろ? まだゾンビが出ない。 (ココらへんで腕時計を何度も見ました)

35分経過・・・おッ!? 母さんがゾンビなんだな? なるほどねw (←と思いきやw)

このような感じで、米軍とゾンビの戦いが一向に無いまま、映画が40分ぐらい過ぎます。 その間、なんとか合流できた落下傘兵士の4~5人が街にたどり着いて、現地人の女性レジスタンス?と出会うだけ。この一言で済むことを40分もかけてやる。 米軍兵士が、敵(ナチス)の占領下にあるフランスで英語をべちゃくちゃ喋りながら進軍するシーンもダラダラと続くのですが、史実考証もあったものではない。 もし英語を偵察兵に聞かれたらその時点で殺されてしまうので本来は私語厳禁です。にもかかわらず、べちゃくちゃしゃべる。 マジであり得ないです。 地雷のくだりとかも、まったく要らないシーンだったと思います。

 

このような、戦争映画としても見るに堪えないしかもゾンビのゾの字も無い地獄のような40分を延々と見せつけられ、私の精神はボロボロでした。

寝ちゃうっつーの!

こちとら米軍とゾンビの戦いを見に来とんのじゃ!

はやくドンパチやれ!

はやくゾンビ見せろ!

こう思うんですよ。

本作のレビューの多くで、「中だるみがない」 「ノンストップ」などの表現が散見されましたが、そういう人たちはこの苦痛な40分を楽しめたのでしょうね。

幸せな人達だと思いますよ嫌味ではなく。 うらやましいです。

そして、40分を超えたあたりで、遂にナチスの拠点に忍び込んで怪しい実験場などが出てきます。 あわや実験台にされかけていた仲間を救出して、例の秘薬も盗み出す。 (←この仲間が後々ゾンビに!?なりません。) なんだかんだ味方の一人が死んでしまったので、 ドクターウエストよろしく、願いを込めた渾身の注射一発でもって仲間が生き返る!! ちゃんと自我もある!しかし、様子がおかしい・・・ このあたりの緊張感は良かったし、自我が有るという要素は、これまでのゾンビ映画に無かったもので斬新でした。この辺は良かったですね。

でも、

結局ナチスの怪しい実験の産物という使い古された (いい意味での)馬鹿げたネタを使うならば、冒頭の変に真面目ぶった戦争シーンとかもマジで要らないと思うんです。 どうせナチス!ゾンビ!というZ級要素が売りならば、 最初からロドリゲス映画みたいにはっちゃければいいんですよ。

 

落下傘で失敗! そこにゾンビが居た! でいいじゃないですか。

あの40分まじでなんなの?

そして、結局ヒロインの女性レジスタンスのお母さんは、ゾンビだったのかよくわからないままフェードアウト。 その伏線使わないって正気かよ!? マジでなんのためだったの? 要らないんならカットしろや!糞編集!
 (ナチスが家に突入したときに、ゾンビ母と戦闘になった??ようにも見えるシーンあり)

そしてクライマックス。 さらわれた子供のためにいざナチスの基地(実験場)を襲撃!? 子供一人の命のために、何人もの兵士の命を危険に晒すのか・・・という葛藤も、申し訳程度にアリ。 私が司令官だったら、子供には申し訳ないけどそんな危険を侵すことは出来ません。味方と合流してから、基地を叩きます。

基地を襲撃するシーンで、実験の失敗作のゾンビ(怪物)が一体だけ出てきますが、なぜか火炎放射器でちょっとあぶられただけで死亡。 ゾンビに対して火は悪手(逆に燃えたまま攻撃してくる)っていうのは、 ゾンビファンの間では結構常識なんですが、なぜかこの怪物は炎で死にます。 なんで?? 実は呼吸してるの? それとも宗教的なゾンビだった?

そして、敵の将校が死ぬ~ってときに秘薬を注射! Gウィルスのように怪物になるのか!?なりません。 超人化。 DOOMのドウェイン・ジョンソンかよw

ナチスと米軍が打ち合ってるところに、子供が来てしまって、助けるために兵士が飛び出す!カパーゾ!よせ! でも、この兵士、敵の弾を避けて子供を見事救出。 申し訳程度に肩の付近に一発だけ喰らいます。 はあ~!?マジで白けますよね。 こういうのご都合主義っていうんですよ。知ってます? せめて子供を助けた代わりに死ねよって。 子供も兵士も両方死んじゃうとかにしろよって。どっちも助かるんかいボケ

ラスト、将校を倒し、基地を爆破し、全て終わった頃に米軍登場!はい、あるあるですね。

 

何のヒネリもありません。 ひどすぎる・・・ 俺は一体何を見せられていたんだ?

 

ゾンビというか怪物だって、まともに戦ったのは火炎放射器で死んでくれた彼1体だけだし・・・

 

戦争映画好きは、憤慨するだけなので絶対に見るべきではないし、ゾンビ好きも知識としては見ても良いかもしれないが、映画としてはとてもじゃないが楽しめるものではない。こんなにひどい映画もなかなか無いと思います。 ある意味、貴重な映画。

 

「overload」という単語には、「過負荷」という意味がありますが

ナチス・戦闘・ゾンビ(怪物)などの要素を詰め込みすぎて、オーバーロードしてしまったという

作品名がオチになっている半端な映画でございました。ちゃんちゃん。


こんなのを見るぐらいならば、怪物の登場数だけは凄い「武器人間」とか、 ちゃんとナチスゾンビの出る「デッドスノウ」とか、 第一次大戦のホラー「デス・フロント」とかを見たほうが何倍も有意義です。

 

この映画を面白いという人とは、絶対に解り会えないなと感じたこの頃でした。
この記事に共感してくれる方は、解り合えるはずです。お友達になりましょう。