Netflixオリジナル作品なので、今はネトフリでしか見れません。
非常に検索性の悪いタイトルはどうにかならかったものか。 ※原題も「6 days」です
タイトルから内容を察するのが困難なのが可哀想な作品。
1980年に起こった、駐英イラン大使館占領事件の発生から収束までの6日間を描いた作品です。
この事件は、SAS内のテロ対策チーム”CRW-wing”という特殊部隊の
存在が世界に初めて明らかになった事件として、世界的に有名な事件です。
~~ここからは、本作を視聴するにあたっての予備知識の話になりますので、少し脱線します。~~
劇中でも一瞬だけ言及されますが、この事件の8年前、
1972年に起こったミュンヘンオリンピック事件では、まだドイツにはテロ対策の特殊部隊が存在しておらず、
装備不足・人員練度の影響もあってか、空港で犯人と人質全員が死亡する大惨事となってしまい、
当時の世界に衝撃を与えたこともは有名であります。
(この事件の概要は、スピルバーグの「ミュンヘン」で伺い知ることができます)
また、この事件をきっかけに半自動のスナイパーライフル 「PSG-1」 「ワルサーWA2000」が誕生したことや、
ドイツの特殊部隊、GSG-9が誕生したこと、
そして隣国のフランスにおいてもGIGN(ジェイジェン)誕生のきっかけになったことは、あまりにも有名であります。
それぐらい世界の警察機構に与えた影響が大きい事件だったことがわかります。
そして、ミュンヘンテロの5年後、1977年(イラン大使館事件の3年前)
同じドイツで発生したルフトハンザ航空ハイジャック事件では、くだんのGSG-9が突入し、
人質死亡0で事件を解決するという偉業が成されました…これについても別の映画がありますが、気になる人はググるべし。
もともと英国は、歴史が始まって以来、テロリズムが絶えない国であり、
2017年の今もなお、IRA/IRFによるテロリズムは続いていますので、
上記の事件が”CRW-wing”が組織された直接の原因ではないと思いますが、
冷戦の後、世界でテロリズムへの危機感が増していった、過渡期ともいえる情勢の中での本事件ではないでしょうか。
~~ここまで脱線~~
ここからやっと本編に関する記述に入っていきます。
童顔のジェイミー・ベルが無骨な隊員を見事に演じきっていたのには驚きました。
他にも、相変わらずのマーク・ストロング。ステイサムが何をやってもステイサムなように、
マーク・ストロングも何をやってもマーク・ストロングですね…カツラ付けるの嫌なんでしょうか。
本作は、事件の序盤から犯人と交渉する警察(マーク・ストロング)の視点と、
最後に突入するCRW隊員(ジェイミー・ベル)の2人の視点から物語が進みます。
当時の映像っぽく再現された映像や、音声※などこだわりは見れるものの、
できればあと少し、リアリティを追求してほしかったところです。 (当時の突入映像や、交渉の様子をそのまま使うとか)
マーク・ストロングがカツラをつけていれば、交渉のときの映像はそのまま使えたと思いますが、映像の権利の問題もあったのでしょうか?内情はわかりません。
※…劇中電話越しに聞こえる犯人の音声は、当時の音声なのでしょうか?ホンモノに聞こえました。
個人的には、犯人側の視点も描かれていることに、誠実さを感じました。
動機について、きちんと言及されているのは、公平性が有り、良い事だと思います。
訓練の様子や過程、突入の様子もリアリティが感じられ、
総じて、見応は十分でした。
ただし、よくわからないのは、「突入時に人質が一名殺害された」というwikipediaの記載に対して、
本作の劇中では、突入時に殺害された人はいなかったので、どちらが正しいのか…判断できかねます。
最後になりますが、本作に触れるにあたって、言及しないわけには行かないのが1982年の映画「ファイナル・オプション」であります。
なんと当時の事件の2年後!! 世界中の誰もが覚えていたであろうときの映画化です。
この映画はフィクションなのですが、実際の建物に似た現場の様子や、突入のアプローチなど、かなり本事件に沿って作られた作品で、
「イラン大使館事件の映画」と言えば、事実上「ファイナル・オプション」の意味とイコールでした。
しかし、本当の映画化という意味では本作が最初(?)になるので、価値の有る作品でもあると思います。
