原題:「彼が帰ってきた」

1945年から突如としてヒトラーが2015年にタイムスリップしてくる所から物語は始まります。
(どうやって?なぜ?は明らからにされません)
ヒトラーのことを「モノマネ師」と勘違いした世間が、彼をどう見るのか?という作品。

 

(失礼ながら)何度も大笑いしてしまった、優秀なコメディ映画という側面もあります。
1945年と原題の文明の違いにヒトラーが驚いたり、
くだらないことで発砲したり、
テンションが挙がった秘書がナチス式敬礼をするシーンとか、
自分の名前がアドレスで使用済みで怒ったり、
ネットミームで馴染み深い、「ヒトラー最期の12日間」の例のシーンとかね。


この作品、なにがすごいのかって、

実際にヒトラー役の人がヒトラーになりきって、観光客や一般人に話しかけたりインタビューしたりした映像がそのまま映画に使われていることです。

 

ヒトラーを目の前にした現代人がどういう反応をするのか??

そういう実験をした作品なのです。 もちろん、ヒトラー役の人はアドリブです。
(DVDの特典映像のインタビューも要参照)

この反応は、しかと目に焼き付けておかなければなりません。
なんと、かのドイツで、ヒトラー=ナチスへの嫌悪/恐怖が希薄化しているという現実を。
ほんとうに目を疑うような光景が繰り広げられます。
もちろん、「お前をここから追い出したい」と言う人や中指を立てたりする人も居ますが、
ヒトラーと自撮りをしたり、いっしょにナチス式敬礼をしたり、

そういうことを平然とするようになってしまっているのです。

 (何度も言いますが実際の映像です)

世界から集まっていた大勢の観光客も、おんなじような反応です。


しかもヒトラー(役の俳優)が、国民の困り事に対して的を射たことをいったりすると、
現状に憂える国民は「そうだそうだ」と普通に同調していきます。

これは本当に、本当に怖いことです。

一見正しいようなことを言ったり、正論を言ったりしますが、

ヒトラーはヒトラーなのです。

何千万という人を死に至らしめた、忌むべき悪魔なのです。

かつて、国民の政治不信がピークのときに彗星のように登場し、

現状打破のマニュフェストを高らかに掲げ、

国民の支持率を集め、

あれよあれよという間にナチスを作ってしまったヒトラーなのです。

 

かくいう筆者も、

ネットで「**に総統閣下がお怒りのようです」シリーズは好きでよく見ていましたので、
この映画で「はっ」とさせられました。
 

今はまさにナチスが台頭し初めた1933年と同じ状況です。

本作をご覧になれば、政治に興味の無い人も、

トランプの台頭が如何に世界的危機を現すのか、なんとなく判るのではないでしょうか?

アメリカが、ナチスドイツのようになってもなんら不思議はありません。

現にイスラムや北朝鮮を挑発して、戦争を引き起こそうとしているではありませんか。

 

本作は、世界の崩壊に警鐘を鳴らすサイレンです。
世界の崩壊は間近に迫っています。

 

この映画は、見たくない人でも見るべき、そういう類いの作品です。

博物館で永劫保存されるべき、偉大な作品でしょう。

 

ガジェット通信さんのインタビュー記事も要チェックです。