中学生ぐらいのときから実に構想10年以上、温めていた内容です。

選出タイトルは、本当の本当に悩みました。
悩みすぎて10年記事にできないぐらい、悩みました。
投稿したあとでも、これでよかったのか…と悩んでいます。

尚、既存の類似ランキングは多数ありますが、2017年版という位置付けです。

 

***はじめに***

既存ランキングは大抵「ヒート」や「リベリオン」が並んで存在していますが、
銃撃戦映画は大きく二種類あると私は考えていて
「ヒート」に代表されるリアル派と、「マトリックス」に代表されるアンリアルの2つ。
この2つを混在させてしまうは良くないと思い、
2つのランキングにしてみようではなかいかと。今回は「リアル編」です。


***選出条件***
① 映画または劇場版であること
② きちんと2人以上の人間(等)が撃ち合っていること
③ "良質な"銃撃戦が1カット以上あること
④ リアル重視であること
以上を満たす82作品を対象としました。

映画媒体以外、一方的な銃撃シーン、銃撃戦があっても低品質な映画は対象外です。
古今東西のあらゆる銃撃戦映画を見て、以上を満たす82作品をに絞って、

更に10作品を選びました。
各作品ごとに選出理由をリアリティ/演出面に絞ってコメントを記載しています。
「★★★」が最高ランクです。

 

 

「アクション映画の中でも最高のひととき、それは銃撃戦」
「銃撃戦は子守歌」

「銃撃戦こそ我が人生(いのち)」…そんなあなたに捧げます!

2017年4月時点での、最高の銃撃戦を!!!

 

 

最高の銃撃戦その1.「HEAT」 大通りの銃撃戦
まずはこれ。これを抜きにしては語れない。
リアリティ:★★

・援護射撃しつつの展開/指切り連射/マグチェンジ時のカバー、
 背後を撃つシーンでは、銃口を上に向けてから振り返るなど、キャストがしっかり訓練を受けている。
長時間に及ぶ銃撃戦シーンであるが、特製ベストを着用し8つのマガジンを携行しているため、
 銃撃戦が長くても不自然ではないことの説明になっている。
・キルマーが肩付近へ1発被弾した時点で戦闘継続が不可になるのも現実味アリ。
 ただし、デニーロもアルも最後まで無傷なのは、主人公補正か。(減点)
・また、事前にタレこみがあったにもかかわらず、何故かSWATが全く登場しないのも不自然。(減点)
 

銃撃戦の演出:★★★
・銀行強盗後、LAのど真ん中の道路で行う市街戦は考えうる最高の展開。
・BGM無しという演出。銃声がBGMなのです!
 【おまけ】NRA Freestyleという会社の宣伝動画


その2.「誘拐犯」 噴水付近での銃撃戦
リアリティ:★★
・主人公二人がM1911を使うが、必ず7発でマグチェンジしているという、

 異常なまでに徹底した弾薬管理の描写は、
 あらゆるエンターテインメント作品の中でも非常に希少であり、素晴らしい偉業。
 銃撃戦映画における「現実的/非現実的」の線引きは、
 この弾薬管理にあると言っても過言ではない。
・ただし、そのマガジンをどこに収納しているかは(惜しい!!)
・主人公の2人は防弾ベストを常に着用している。
 銃撃戦に挑むのであれば当前のことだが、

 主人公がベストを着用しない映画は意外と多い。
 銃弾が飛び交う所にベスト無しで行くなんてありえない。
銃撃戦の演出:★★
・防弾ベストを常に着用している主人公たちがベスト以外の所にうけるダメージが絶妙
・ラストの、現金を得る為に待ち伏せに挑む流れは、西部劇ライクで個人的に○
・壮絶なBGMが最高。

 

その3.「ルール[無法地帯] 」 住宅街での銃撃戦
リアリティ:★
・キャスト全体の銃の扱いが上手い
・主役の銃の扱いが非常に上手い。射撃姿勢などもまさしくプロ。
・ただし、主人公補正で主役に弾は当たらず撃ってくださいみたいな敵も出てくる。
・コリンコフのチャージングハンドルをプジカスと主人公で合計二度引く描写がある

(たぶん編集ミス。惜しいっ)
銃撃戦の演出:★★
・BGMが格好いい。
・AKの達人こと"ソニー・プジカス"が最高。
・傭兵団と元プロの軍人が本当に戦ったらどうなるか?シミュレーションしました!

 と言わんばかりのプロ対プロの銃撃戦は胸熱。

その4.「コラテラル」ナイトクラブの銃撃戦
リアリティ:★★★
・主人公および敵が防弾ベストを、当然着用している。
・銃の弾薬管理が(恐らく)できている。
胸に二発、頭に一発(Two to the chest , one to the head)というモザンビーグドリルをきちんと守っている。
 余談ですが、このモザンビーグドリルは「ヒート」の処刑シーンでも登場しているテクニックで、マイケル・マン節の表れ。
・二丁拳銃なんて本当は当たらない
銃撃戦の演出:★★
・銃撃戦には様々シチューエーションのがありますが、

 私はナイトクラブという環境が至高だと思ってます。
 なぜならば、「逃げ惑う市民(=障害物)」「BGMが違和感無く流れている」

 「建物内の近接戦」という環境が整っているからです。
 そんな本作では「ちゅんびーちゅばーカモンッ!」と聞こえる

 謎の韓国版「ready steady go」が流れております。(ラルクの同名曲とは別)
ボーンアイデンティティでも使用された、ポール・オーケンフレンドの名曲。

 

その5.「L.Aコンフィデンシャル」 一軒家の籠城戦
リアリティ:★

・敵も味方も慌ててる描写が生生しい。(敵に聞こえてるのに「裏に回れ!とか言っちゃうところ」)

リボルバーで6発以上撃っていて、演出化してしまっている所がある (減点)
銃撃戦の演出:★★
・一軒家に立て籠もって、襲いかかる暗殺者と戦うシチュエーション
・警官vs悪徳警官という構図が痺れる

・とある人物が顔を撃たれれる場面が最高

 

その6.「John wick」 ナイトクラブの銃撃戦
リアリティ:★
高次元過ぎてリアルかリアルじゃないのか、正直よく判りません。

・ジョンウィックの射撃スタンスや、バックアップガンを使うタイミングが絶妙です。
・恐らく、弾薬管理もそれなりにされています。(要検証)
敵も味方も、当然防弾ベストを標準装備。なので必然的にヘッドショットを狙いますが、ダウンさせるために胴体も狙ってます。
・ガンフーとは”一人の敵を封じながら一人
の敵を排除すること”を指すようですが、
 顔を押さえつけられてるだけの敵など、一部の敵の反撃が甘いような気もします。
銃撃戦の演出:★★
・ナイトクラブでの銃撃戦はやっぱり最高です!
・2つのBGMが流れますが、後半の方が最高。

 

その7.「ネイビーシールズ」 強襲シーン
リアリティ:★★★
・演じているのが当時現役の海兵隊員(なので偽名)。使っている兵器も武器も戦術も本物という、映画史に残る偉業。
・RPGのシーンなどは実際にあった話を元にしており、まさに事実は小説よりも…という。
・戦闘で負う傷も生々しいです。 銃弾が眼孔をかすって失明だけでなく心肺停止状態になるとか、銃弾が手にあたって指が取れてしまうとか、
 戦場を知らない我々には絶対に思いつかない描写です。
銃撃戦の演出:★

・手榴弾のシーンが熱い
・最後の一人称の視点が、プライベートライアンやCoD4/BF3ライクでかなり好き
 

 

その8.「ザ・バンク」 グッゲンハイム美術館の銃撃戦
リアリティ:★★
・弾薬管理が(それなりに)できている。 

 ただしリボルバーのシーンだけは装弾数以上撃っている(惜しい!)
・銃弾が当たったところの血の吹き出し方などはプライベート・ライアンを彷彿とさせる生々しさ。
・周囲の一般人の反応とか、警備員の誘導など、画面の端までリアル。
銃撃戦の演出:★★★
・殺し屋と捜査官が共闘するという、一見ありえないことを巧みにやってしまう話の持っていきかた!
・映画で滅多にみかけない「死んだふり」のシーンは結構びっくり。
まさに発想の勝利。きっと製作者達は「どこで銃撃戦をやったら面白いか」という中二病的思考で、世界中を探したに違いありません。そしてたどり着いたのが、ニューヨークにあるグッゲンハイム美術館。
中央の鏡を使う所や、敵と味方が回廊を走り(まわり)ながら撃ち合うなど、唯一無二のシーン。

 

その9.「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」のラストの銃撃戦
リアリティ:★★★
一番強そうな奴を一番最初に倒すこと。
 
意表を付いた先制攻撃のシーンは、初見時に本当に衝撃を受けました。
 従来の映画的演出を否定するようで、且つ合理的です。
 本当に決闘をするならば、たしかにこれが最善手なのでしょう。

・逃亡が許されないこと
 悪人たちも泥だらけになって這いずりながら逃げようとしますが、

 村人たちが追い打ち(私刑)でとどめを刺します。
 悪党を逃したらまた仕返しに来るかもしれないし、たしかにこうするよなぁ、

 という描写が生々しい
撃たれた人間の反応が最高にリアル
 足を撃たれたときにみんな「イテテっ」って感じで”ケンケン”しちゃうんですが、

 私たちも普段足に怪我をするとこうなりますよね。
 銃で撃たれても同じのはずです。でも他の映画ではほぼ見られない演出です。
 また、銃弾が体に一発当たったぐらいでは簡単に死"ね"ないのです。

 「うわー」とか言って死ぬ訳が無い。みんなもがき苦しむ
 ショットガンで撃たれた敵が痙攣していたり、

 撃たれた人間っていうのはきっとこうなんだろうなと思えるリアリティが感じられます。
・最初のシーンだけリボルバーで6発以上連射している(減点)
・ショットガンで吹っ飛ぶ距離がちょいと過剰なシーンがある。(減点)
銃撃戦の演出:★★
・銃撃戦をする場所は、おなじみの西部の街

 (一本道を挟むように左右に建物が並んでいる、定番の構図)
・一番強そうな奴を真っ先に倒しちゃうというのは、ある意味反則の演出かと思います。
・最後の対決が おじいちゃんvs
おじいちゃん というのも最高。

 

その10.「The Veteran」 ラストの団地での銃撃戦
リアリティ:★★★★

・この世に現存する映画の中で、史上最もリアルではないかと思える、そんな究極の作品。
 何年/何回考えても、どうしてもこれ以上の作品が思い当たらないので、

 「世界一リアルな銃撃戦シーン」の称号(暫定版)を与えます。
・主人公の銃の構え方や戦術などが本物ライクなのはもちろんのこと、
 アサルトライフルを無暗に連射せず、弾薬管理も(恐らく)できています。

・最後に主人公が撃たれたときの音(めまいがするときのあの感じ!)とかも非常に生々しい。
・ちなみに、ギャングのアジトが団地というのもリアル。
銃撃戦の演出:★★
・BGMが無い。(銃声がBGM!)
・長回しのシーンがあったり、最初は開けてた所の戦いが、最後は閉所での戦闘になるなど、現実味のある展開になっている。

 


願わくば、この記事が、血肉に飢えたローマ市民のごとき、現代に潜む野獣たちの糧とならんことを…