図書館でコミックエッセイ本を借りました。
六本木の飯倉片山にあったインターナショナルクリニックのお話です。
「患者さまは外国人」
患者に寄り添い治療をする「六本木の赤ひげ」ことエフゲニー・アクショーノフ氏と
ナース山本ルミさんを中心とした医療現場を描いた作品です。
ドクターは白系ロシア人の父とドイツ人の母の元、満州に生まれましたが
戦後無国籍になり、とあるお方のお勧めで日本の医大を出て医師となりました。
そして六本木で開業し、日本国内にいる外国籍の方々を対象に診察を行っていました。
読んで知ったのは
患者さんが生まれ育った国によっては信仰や生活習慣も違うことから
そこにも配慮して診療する大変さです。
たとえば
夫以外の男性には肌を見せられないイスラム圏の女性とか
信仰による断食中は、治療のためとはいえ点滴もNGとか
独特過ぎる自国の民間療法を試してからの来院とか、ね。
クリニックではドクター、ナース、事務スタッフの方々が駆使する言語が
英語、ロシア語、中国語、ギリシャ語、フランス語、スウェーデン語、チェコ語など
様々であることからも、多くの方々が安心して受診できた心強い場所であったろうと想像できます。
ブラジル語圏、スペイン語圏、ヨーロッパ、アフリカ各国の国籍の方々も来院したようですし。
本来であれば日本滞在ができない方々、治療費を支払えない方々へも配慮したようです。
こちらのエッセイに描かれているのはいろいろ大変なエピソードの一部ではあると思いますが
温かい絵柄もあってオモシロく一気に読めました。
多くの患者を助け続けた名医です。
(民間人のみならず大使館勤務の関係者とか、来日中のスターたちとかも)
2014年にドクターが亡くなられて、クリニックも閉院されたようです。
クリニックの皆さんによる医療への熱心な取り組み、志の高さを知って
私も明日から頑張るぞ~と思ってみました。
いつでも手に取って読み返してみたいので買いましたし
山本ルミさんのもうひとつのお仕事の「空飛ぶナース」も買ってみようかな。