東京都現代美術館の「開発好明 ART IS LIVE 一人民主主義にようこそ」の続きです。


《未来郵便局》と《投票》の後はまた過去のプロジェクトの紹介。主に東日本の震災後の東北でのプロジェクトです。



これも過去のプロジェクト《政治家の家》の再現だそうです。
福島の避難区域(当時)から400m手前に設置された政治家用の休憩所。もちろん実際にここに来た政治家はいません。中がどうなっているかはこれから行く人の楽しみに取っておきますが、外壁にこれがありました。

会期が終わってこの家をどこに引っ越しされるか、そこに私たちがシールを貼るという投票。《投票》と違ってこれは意味あります。日本地図と福島の地図があって日本地図に貼られたシールは東京と能登半島となぜか沖縄が多いですね。当然私は福島の原発のところに貼りました。


 《毎日デモへようこそ》
これも一人一枚貼る参加型アート。ロシアのウクライナ侵攻以降にデモの写真からプラカードだけ取り出しシールにしたもの。この展覧会が終わった時にどうなっているか楽しみです。


 《涙の池》
ニューヨークの世界貿易センタービル跡地で集めた砂埃を集めて敷き詰めたそうです。中央にごく小さな突起があって、タイトル通り涙の跡なのでしょうが、人工衛星から見た灰色の廃墟の中のツインタワーにも見えます。単純なのに様々な解釈ができます。


 《飛行木》
離れて見たら森に見えたけど、戦闘機の模型が刺さってます。福井の高速増殖炉もんじゅ周辺で採取した埃が全体にふりまかれているそうです。見ていると息苦しくなってきます。

次の展示室に行く廊下、何もないかと思ったら足元から音がします。

センサー付きの再生機が10個くらいあって、歩いていくと様々な声・音がします。開発好明って変なアーティストだなあ、政治社会にコミットする活動するかと思えば、これや《投票》のようなほぼ無意味な遊びみたいなこともする。

廊下の先に人が立つような白い丸印があったのですが、そこに立っても何も起きないし何も見えない。ガイドブックにも何も書いてない。と思ったら壁に

また手のような形、やっぱり何か意図して貼ったものに違いない。


 《R.MuTTuri》
最後の展示室はマルセル・デュシャンのレディメイドのオマージュや

高さ2メートルほどあるモンドリアン風の靴下。こういうデザインの服とかありそう。

ジャクソン・ポロック風の前掛け。大きさ別にしたら実際に本人がこんなの着ていたかも。


 《イブ・クライン・スペシャル》
これはオマージュというよりパロディ。裸の女性モデルに「クライン・ブルー」と呼ばれる青い塗料を塗ってキャンバスに転写した《人体測定》を、男性のあの部分だけで再現したものと、そのパフォーマンス映像。モデル=女性というバイアスを過激にひっくり返してます。


 《日の出・印象2024》
タイトルは笑っちゃうのですが、どれだけズレたら日の丸じゃなくなるか、どこまでなら許容されるか、ガイドブックには例として憲法解釈が書かれていますが、他にもいろいろ考えてみるといいかも。


最後の作品は最初の展示作品に付いていた手、《握手》というのですが、これ見るとやっぱり壁の手の形が気になる。