全然知らないアーティストだったけどマグリットっぽいシュールな感じに興味があって行ってきました。東京ステーションギャラリーの「ジャン=ミッシェル・フォロン 空想旅行案内人」、実は本当にマグリットの絵を見てアーティストを志したそうです。

展示は撮影NGなのでフォトスポットで撮ったものと買ったポストカードだけ載せます。

 《大天使》
水彩画が多く、あまり細部を描かず使う色数も少ないのでファンタジックなタッチです。


 《月世界旅行》
旅行や空を飛ぶ絵が多いですね、これもいいファンタジー。


 《無題》
フォロンの作品によく出てくる帽子を被った単純な顔で無表情の男リトル・ハット・マン、これはその男が自分が持つ大きな旅行カバンの上を歩いています。カバンは一見向こうが透けて見えているようですが背景よりやや明るく別な時間のようで、これマグリットっぽいなあ。


 《無題》
ファンタジックな絵ばかりじゃありません。ここでは全く同じ姿の人たちがただ集まってこちらを見ています。かなり不気味。目が唇になっていて、様々な解釈ができます。


 《都市のジャングル》
矢印もよく使われるモチーフで、一か所から四方八方に多数の矢印がクニャクニャと伸びて行くものもあれば、このようにリトル矢印マンの頭から伸びる矢印がビルに絡まって身動き取れないという絵もあります。都会に住む人間をかなり痛烈に皮肉っている感じ。

フォトスポットにはなかったのですが、環境破壊や戦争や人権侵害などを痛烈に批判した絵もかなりあります。1968年の《ニクソンの勝利》という作品はアメリカ国旗のハットを被った歯が全てミサイルになった男の肖像。もちろんベトナム戦争当時の大統領を批判する絵なんですが、今見るとD・トランプにしか見えません。歴史は繰り返す、それとも全く変わらない?

アムネスティの依頼で描いた「世界人権宣言」のための挿絵シリーズはかなり力入ってます。かなり惨酷な絵から表紙の素敵なファンタジーまで、これ本があったら買いたいな。


 《見知らぬ人》

社会派的な絵やファンタジックもいいけど、こういう詩的でシュールなのが私は一番好きですね。