展覧会と言うより参加して体験するイベント、東京都現代美術館で開催中の「翻訳できないわたしの言葉」はそんなアート展です。テーマは言葉。

 

最初はユニ・ホン・シャープという日本生まれでフランスで活動するアーティスト。自分がフランス語の発音が流暢でないことからの発想のユーモラスな映像作品は撮影NGなので載せられないけど、こんなのもありました。

クッキーのレシピです。持って帰って作ってみてください、でクッキーの見本の展示もありました。

 

次はアイヌのマユンキキ、入口横の台にあるパスポートに名前を書いてアーティストの部屋に入ります。

 これつまり、アイヌの地という異国に入るということ。

 中はアイヌの民芸品や作者が趣味で収集したものに蔵書など。

さらになんとベッドには作者本人がいました。対談とかの映像もありますけど、部屋自体がメッチャ面白い。

 

次は手話、幼少期にろうあになったという南雲麻衣が最初に身に付けた言葉は音声言語で、それから手話を身に付けたそうです。

 三角のパネルの三つの映像は手話だけの会話、音声言語だけの会話、手話と発話の生活で、

 それを映像の中を再現したような場所で椅子に座って見ます。

 

新井英夫の展示は主に身体言語、自身の「野口式体操」によるパフォーマンス映像もありますが、

 指のダンスのシルエット映像、自分もプロジェクターの前に手を出して参加できます。結構楽しかった。

 これは鈴を手にとって鳴らしたり、鳴らないようにそっと手のひらに乗せたり、

 紙を千切る音に耳を澄ましたり、和紙をくしゃくしゃにして、そのフワフワ感を味わったり

 等など、様々な「言葉」を五感で感じます。

 

次は恵比寿映像祭でも見た金仁淑の、今回はブラジル人の学校に通う子供たちが中心の映像インスタレーションです。撮影NGで見せられないのが残念ですが、土門拳賞もらっただけのことはあります。

 

これで終わり、と思ったらイベントやってました「筆談会 これより先無言」

 誰も話してはいけない、台に広げられた紙に言葉について思うことなどを書き、他の人がそれについて思ったことを書く。

 いわゆる筆談なんですが、普通筆談は、1対1、ここでは何人ものひとが入れ替わり立ち代わり。

進行役のアーティストの人が日本語英語スペイン語であいさつの言葉を書き「いくつでるかな?」これ盛り上がりました。

 フランス語書こうと思ったけど綴りどうだっけ、って考えてたら他の人が書いちゃった。さらにドイツ語中国語など。私も負けずに書きました、「いらんからぷて」アイヌ語です。誰もわからないかと思ったらわかった人いたみたい。

無言なのにメッチャ盛り上がった、とても貴重な体験をしました。