ワタリウム美術館の「パーフェクト・カモフラージュ展 私はアートになりたい」の続きです。
第三チャプターは「記憶にカモフラージュする」です。


杉戸洋という作家の作品は初めて見るかな? 申し訳ないけど私は全く何も感じません。


 クリスチャン・ボルタンスキー《モニュメント(オデッサ)》
記憶と言えばこの人、ボルタンスキーです。言うまでもなくナチスによるホロコーストの記憶を念頭に作られたものですが、タイトルが旧ソ連のオデッサ(オデーサ:現ウクライナ)とか、当時迫害されたユダヤ教徒の国がホロコーストの記憶にカモフラージュして今やってることなど、記憶が修正されたり捏造されたりして歴史が何度も繰り返されていることを考えると、気が重くなってきます。


 ヨーゼフ・ボイス《フェルト・スーツ》 
アートの世界でSDGsを先取りしていたボイスの、廃材利用のスーツです。「記憶」で考えると、姿の見えない不特定多数の人の記憶を纏うスーツですね。

最後のチャプターは「空間にカモフラージュする」、展示室に入ると目に飛び込んでくるのはキース・へリング!

何度も来日した彼がこの美術館で描いた壁画です。

シンプルで力強い線が珍しく幾重にも重ねられ、エネルギーに満ちています。見る者を元気にする絵ですね。


 ナム・ジュン・パイク《フレンチ・クロック》
ブラウン管アナログTVが生産されなくなったため、壊れたら修復不能なパイクの作品。中央の振り子に描かれたアンティークな絵が左右と下のモニターにも映し出されています。多重化された映像が生み出すデジャヴのような空間。


ドナルド・ジャッドという作家の作品。うーん、これは何だかわからない。


B1Fのショップでもさわひらきのドローイングの展示やってました。

繊細でファンタジックで少し奇妙な世界。私は好きです。