ワタリウム美術館は久しぶりです。収蔵品を中心とした「パーフェクト・カモフラージュ展 私はアートになりたい」という展示、カモフラージュ「自分の身を隠す」をキーにした展示のようです。

最初は「日常にカモフラージュする」としてマン・レイ、アンディー・ウォーホール、さわひらきという世代から作風から全く関係ない3名の作品展示で、それはずっと続きます。

2F展示室に入ると、私の大好きなマン・レイ。

ソラリゼーションによる写真のシュールレアリスム。どこが日常なんだろうかという違和感は感じますが、個人的には初見の作品もあって嬉しいです。

ウォーホールの珍しく文章付きの作品。どうもケネディがダラスに着いてから暗殺されるまでの出来事が書いてあるようです。暗殺という非日常に至るまでの淡々とした日常、なるほど。

誰でも一度は見たことがある《セルフポートレート》や「理由なき反抗」のポスターを描いたもの、この展覧会の後半に出て来るヨーゼフ・ボイスの肖像に女性の靴や$マークなどもある一方

かの国の日常、この国の非日常、そして

《電気椅子》のシリーズがなんと7点!
これは挑発的な展示ですね、日本ではいまだに毎年何人かが死刑判決を受け、何人かが処刑されている。震災や航空機の事故(今年すでに1回ずつ起きていますが)に比べたら日常的かもしれない。でもそれは公に語られず、カモフラージュされている?


さわひらきの《flown》は自宅もしくはアトリエを模したようなインスタレーションです。ポットやカップなど生活雑貨に本や楽器など、アーティストの生活に入り込んだ(カモフラージュした)ような気分になります。

右下の小さな入り口から入って階段を1、2段昇ると映像を見ることができます。かなり不自由で秘密めいた作品鑑賞。

他にも映像やスライドショーがあって、日常生活的な空間でさわひらき独特のシュールでオフビートな映像を見ることができます。


次のチャプターは「自然にカモフラージュする」


 ロイス・ワインバーガー《スカイライン》
盆栽みたいですけど、粘土で作ったミニチュアの都市が年月とともに沈んでいく作品なんだそうです。年に一回とか継続して見ないとわからない作品。木の成長をみるようなものですかね。


 ゲイリー・ヒルズ《コア・シリーズ「葉」》
葉っぱの映像に様々な文字が重ねられる作品。ただそれだけ。このチャプターは地味ですね。


 野口里佳《虹は生き物》
この作家の小さな虫や植物の映像や写真、ドローイングはけっこう好きですけど、今回は子供の落書きみたいな(いい意味で)新作のドローイングです。

なるほど虹にカモフラージュしてますね。

今回はここまで。