写真展のこと書いたブログはあんまりアクセスがないんですが、それでも書きます。

東京都写真美術館B1Fは昨年93歳で亡くなった田沼武能の「人間賛歌」、

子供の写真で知られる人で、今回は主に1950年代の日本を撮った「戦後の子供たち」、1970年代以降世界130カ国以上で人の営みを撮影した「人間万歳」、1990年代から亡くなる2022まで(!)撮り続けた今回初公開の「ふるさと武蔵野」の3部構成です。

やっぱり世界中の様々な状況の人々の姿を捉えた「人間万歳」が見応えあります。マサイ族からソマリア難民、ゴミの山を漁る少年からチョルノービリ(チェルノブイリ)で被爆した少女まで、微笑ましい写真や心に沁みる光景、視線が突き刺さってくる肖像写真まで、誰もが時間をかけてじっくり見るべき写真展でした。

2Fの展示室は本橋成一とロベール・ドアノー「交差する物語」。この二人の名前が並んでいるのに違和感を持つ人は多いんじゃないでしょうか。戦前からフランスで写真撮ってたロベール・ドアノーはユーモアと温かみのある写真、本橋成一は1960年代から日本で活躍する社会派ドキュメント色の強い人。ところが本橋はドアノーを敬愛してたそうで、二人とも炭坑やサーカス、市場などを取材したシリーズを出しているとか、共通点も多いそうです。

こういう展示って面白いですね、世代も生まれ育った場所も異なる二人がそれぞれの国で同じテーマで撮った写真を並べて見ると、それぞれの視点や文化の違いがよくわかる一方、思いもよらない共通点を見つけたりもします。

映画「アレクセイの泉」でも知られる本橋のチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故後のウクライナとベラルーシで、そこで普通に生活する人々の姿を捉えた写真は、以前見たものもありますがやっぱり心を打つものがあります。