G7サミットが終了し、来日して参加したウクライナのゼレンスキー大統領の演説がありました。前回の国会でのリモート演説でもそうでしたが、同時通訳がわかりにくかったですね。これはつまり、日本にウクライナ語→日本語のプロ通訳がいないということ。ある意味これは、日本がウクライナという国をその程度にしか見ていなかったということ。

演説はロシア非難と援助の要請と日本への感謝、だけでなく「この侵略戦争を人類最後のものにするべき」という人類全体を見据えたもので、侵略国ロシアのプーさんとの格の違いを見せたものでした。

私が一番注目したのは、同時通訳で「ウクライナ人のいたところに『人影の石』だけが残っていたかもしれない」と言ったところです。

「人影の石」を知らない人(ってこの国にいるのかな)のために書いとくと、広島平和記念資料館に展示されているこれです。

爆心地近くの銀行入り口の前の石段に座っていた人が、核爆発の高熱で一瞬にして蒸発してしまい、その影だけが残っているというものです。「痛い苦しい」が全くなく瞬時に存在が消えてしまうという、核兵器の非人道的な面を示すもの。

抽象的に「原爆被害」と言わずこれに言及するということは、ゼレンスキー大統領とそのスタッフは、形だけの資料館と平和公園の見学でなく、核兵器の恐怖とそれが受けた広島の「痛み」に寄り添う気持ちを持っているんだなあ、と感じました(もちろん演出はあるでしょうが)。本当は自国はそれどころじゃないはずなのに、それでも。


これは平和公園の慰霊碑。何十年たっても核兵器廃絶は進まない、心が痛いですね。
プー(某国大統領)やトラ(某国前大統領)はこういうの見ても何も感じないんでしょうね。

東京生まれで大人になって初めて広島に観光で行って、厳島神社から平和公園に移動して、原爆ドームをバシバシ写真撮ってたら、気が付いたらポロポロ涙が出ていました。どうしてだろう。