13年ぶりに、




はらわたが煮えくりかえるくらい





憎い人に会った。





立ち寄った郵便局で、仕事をしていた。






見た瞬間、



真っ黒い増悪が込み上げて自制が効かなかった。






13年前のことが、まるで昨日のように湧き上がってきた。





長い年月をかけて、〝赦す〟ということを追い求め、ようやく手にしたと思っていたけれど、





1ミリも赦せていなかった。





私は、真っ黒いヘドロのような汚い感情をかぶったままだった。






怒りをおさえて、用事をすませた。


相手も予想以上に動揺していた。



私の殺気は、目でも見えるほどだったのかも知れない。







王子にLINEをしたら、ちょうど職場を出た時間で、電話が繋がった。






堰を切ったように話した。

彼もその時のことをよく覚えていた。



まだ、私たちが連絡を断つ前の出来事だった。





そして、彼は言った。





人間、赦せない人がいてもいいんだよ。

肚の中にドス黒い汚い感情があってもいいのさ。

純白じゃなくていい。




その、人として汚れた部分がまたその人の魅力なんだよ。




聖人君子じゃなくていいさ。




無理して赦さなくていい。



君のそんな過去やそんな思いも含めて、今の魅力的な君なんだから。






嫌な人は嫌でいいんだ。

私はこんなに子どものように真っ直ぐに怒りを味わっていいんだ。

腹が立つ、赦せないと



思っていいんだ。





あんなに頑張ってやってきたのに、

憎い人を心の中で抱きしめる練習を。


10年、やり続けてきたのに。












今夜は、自分で自分を



抱きしめよう。






そして、もう、あの郵便局には行かない。


それで、

いい。






私は私である。
私はあなたでもある。