手相鑑定にやってきたのは、可愛らしい女性だった。
50歳を少しまわったくらいか。
少女みたいに可愛らしい風貌で笑顔も見えた。
手相そのものは、まあよくある相で
気になったのは、自己愛の強さ。諦めの速さ。
転職を繰り返すのは悪いことではないが、その理由がポイントだ。
A社の事務から、もっと責任のある仕事がしたくてB社へ。仕事が重くなって次へ。給料が安くて退社。個人事業主になってみたけどうまくいかずに次へ。
けれど、歳とともに職場は減ってくる。
次は、小学校の支援員だと言う。
チームで力を合わせて、何かをやり遂げることに興味があると言う。
私は、学校現場にそれなりにいたので、残念ながら期待は出来なかったけれど、あなたがいいならいいのではないかと言った。
おそらくそれで、手相鑑定に来た。背中を押して欲しかったんだと思う。
手相なんて、ただの統計学。単なる可能性。
しかし、散財線がすごい。
コンサルを同時に2人つけたり、占いや瞑想法アフォーメンションの習得、他にもだ。値段は知らないが、稼いだ分は全部つぎ込んだそうだ。
それで良くなったか?
どうだろうか。
私に、何か憑いてないですかときくので、
私にはわかりませんと答えた。
離婚も再婚もして、子どもも多い。
今のご主人さんとは仲が良く、家庭が最も安らぐと言う。
もう、すでに100点なのに、
迷子の子猫は、自分自身の中の迷路で泣いていた。
私は私である。
私はあなたでもある。