まだ、受難週は終わってなかったようだ。
ウイルス性の流行病を二つ同時に併発して、伏せっている。
一度は、意識が遠のいた。
目の前が暗くなり、耳が聞こえなくなって
体がふわふわ浮いたというか
現実から隔離された分厚いガラスのシャボン玉に閉じ込められた感じだった。
何も感じない。
現実が遠のく感じ。
リアリティがない。
でも不安もない。
仕方がない。離れていく。そんな感じだ。
幸い
戻ってきた。
こうして寝ていると子どもの頃を思い出す。
子どものころ、よく家に来た霊媒師。
〇〇の家のご主人が横暴で、このままだと家が破産することを憂えたご先祖が夜な夜な集まって会議をした。
その主人を改心させるために、
奥様を失明させようと話し合いをしていた。とその霊媒師は言っていた。
しばらくすると、
奥様は、スーパーカブで運転中、誤って電柱にぶつかり、その通りになった。
子ども心に思った。なんて理不尽な話だ。と。
なんで奥様なんだと。
改心、したのだろうか。その主人は。
三下り半を書いて離婚でもしたんじゃないだろうか。そうなったら、奥様の人生はどうなるのだろうか。
私は子どもだったから、そのあとは、わからない。
けど、その霊媒師は、あるとき、暗い一角を指してこうも言っていた。
生きていた時に、人の顔を札束で叩いていたような輩は、ほら、こんな醜い姿になって永劫に低く暗い世界に彷徨うのよ。
人は、日々、改心のチャンスをいただいて生きているのかも知れない。
完璧な人などいない。
人はみな、自分は正しいと勘違いしている生き物だ。
身の回りに起こる出来事は、良いことも悪いことも
改心のチャンス。
タイムリミットは、この人生が終わるまで。
私は私である。
私はあなたでもある。