エッチなミステリ | 読んだらすぐに忘れる

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とりとめもない感想を備忘記録的に書いています。


相互確証破壊/文藝春秋
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エロと犯罪は、どちらも隠れてヤルから相性がいい(はず……)。

お上品な所では連城三紀彦さん、泡坂妻夫さん。お下品なところでは西澤保彦さん。アクロバティックなところでは、山田風太郎とか例を出せばきりがない。

(石持さんにも、あのどうしようもない『耳をふさいで夜を走る』というサスペンスがある)

今回、帯の「前戯からはじまる伏線、絶頂でひらく名推理」のフレーズがツボにハマって購入。まあ、内容読む限り、絶頂のあとの余韻でひらいているみたいだけどね。





「待っている間に」

男女6人の会社の同僚が「研修」を名目で保養所に集められるが、内容は会社の特命を帯びた違法の仕事をするためだった。完全な缶詰状態のなかで男女は、それぞれペアとなり身体を重ねる。そんな異常な状態のなかで、男性社員一人が殺害される。警察に知らせないように会社に釘を刺される残りのメンバー。じっとしているのも何なのでやはりせっせと「行為」に励むのだが、また一人、男が殺される。

相変わらずキャラ設定が吹っ飛んでいますが、こういうビッチどもは現実にもいると思うのです。逆恨みも甚だしい。そもそも自分の価値を下げたくないなら、違法な仕事に手をつけなきゃよろしい。





「相互確証破壊」

まるでエロマンガのプロットに出てきそうな内容。(ようはN○Rです)

ダブル不倫の証拠を映像に撮ることで、互いの家族崩壊の抑止力とする男と女。しかし、女は男の提案に違和感を覚える。なぜ、逢瀬の度に映像を撮る必要があるのか? 一度だけとればよいのではないのか? 4本の映像を見るうちに女はあることに気がつき、そしてある事を決意する。

これはいい。上出来。セックスだけの関係から、一つ上のステージに駆け上がってしまう。





「三百メートル先から」

引きこもりの兄が三百メートル先から狙撃され殺される。妹は、兄の友人と交際しており、兄の死の真相をベッドの上で考える。

狙撃の理由とその顛末が唐突な感じがする。なんだかバイオテロまで絡めてもう笑ってしまう。そもそもそんなに狙撃が気になるなら、回りくどい方法で盾にしたりしないで、窓ないマンションや狙撃の死角になるところに引っ越せや、金あるんだろう?





「見下ろす部屋」

会社の上司と部下の不倫関係が、いつも同じホテル部屋。逢瀬を重ねるうちに女は、上司の不安な心情を感じるようにある。

うーん、これはもうよく分からない。理解できません。





「カントリー・ロード」

訳あり女がヒッチハイクで男に拾ってもらう。当然のごとく身体を重ねる。目的地が近づく中、二人はお互いの「訳あり」を知るようになる。

これも上手い。まずエロシーンがある事の必然性がちゃんとある。車上でフェラチオをする意味とかね。(余談:次の「男の子みたいに」でもそうだけど、フェラでいける男って結構うらやましい)





「男の子みたいに」

彼女に男装させる男とセックスする意味について、バイセクシャルの毛がある彼女は女友達とベッドの中で考える。彼氏はホモなのだろうか? 会話を続けるうちに意外な絵が浮かび上がる。

逆転劇は派手ではないが、好きな作風だ。愛する相手をどこまで許容できるのか? 互いの意思を明確に確認し合わなくても確かに奥底で通じ合う。





総じて、ちょっと物足りない

方向性は嫌いではありません。しかし物語の中ででてくる「必然性」にしっくりこない。

「喘ぎ声」の演出とかしらけるのでもう少しなんとかして欲しいところ。

(そもそも、行為中に喘ぎ声って盛大にでます? 私は昆虫のように静かにするので経験ないです……)