もうじき一周忌ということもあってか、父のことをよく思い出す。
基本的には自分勝手でわがまま。その時の気分でしかモノが言えない人で、きちんとした話し合いや相手を説得するということのできない人だった。
約20年前、私が鬱病にかかって3ヶ月休職することとなり、実家に帰った。
その日の晩、父は「姉ちゃん(私)のことが気になって寝られへんねん」と言い始めた。私はそこまで父に負担をかけてしまったのかと思い、ただただ泣いて謝るしかなかった。
私がある程度落ち着いたところで、父は続けた。「心療内科に行って薬をもらってきた。会社は休職の手続きをした」私も母も妹も愕然とした。「休職しようと思う」ではない。「休職の手続きをした」。誰一人そんな話、知らなかった。
それまでの勤怠の悪さで、エンジニア職から総務課に配置転換されているという事実をこんなに甘く考えているのだ。私たち3人は、復職しても父の居場所はないことを悟った。妹は怒って「学校を退学する」と言い、私は「私が帰ってきたのが間違いだった」と泣きわめいた。
母は抗議してもどうにもならないことがわかっているので、妹や私をなだめていたように思う。
でもそういう甘さや弱さは、私が受け継いでいた。たいていのことは反発したが、時折母や妹がまっとうなことを父に言うのを聞いていて、「そんな言い方せんでも…」と思うことがあった。時と場合によっては、心情的に父の味方をすることもあった。
今、父のことをボソボソ母と話していて「あんたはあんなにお父さんを避けてきてたのに、何で今頃になってお父さんのことをええように言うん?」と聞かれることがある。それは見方が変わった部分でもあるし、今まで
母に話していなかっただけのこともある。
特に美化しているつもりはないんだけれどなあ…(そういう時期も必要だけど)