教員不足の背景にある「ブラック勤務」
現在、全国で教員のなり手不足が深刻な問題となっています。
その背景には、**長時間労働や精神的負担による「ブラック勤務」**の実態があります。
例①:西本武司教諭(大阪府立高校)
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朝6時半に出勤、夜8時半まで勤務。月155時間の残業(※過労死ラインの約2倍)。
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適応障害を発症し5か月休職。
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裁判を起こし、「普通に働けて、生徒と喜び合える職場に」と訴える。
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担任、授業、生活指導、部活顧問、海外研修引率…と過重業務が続く。
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「もう限界です」と校長にメールするも、改善されず。
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精神的に追い詰められ、「駅のホームで飛び込みたくなる感覚」にまで陥る。
教員全体の実態(文科省調査)
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小学校教員の約3割、中学校教員の約6割が過労死ライン超えの残業。
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教員の業務は、授業準備、保護者対応、部活動指導など多岐にわたる。
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にもかかわらず、「自己犠牲が当然」という風潮が残る。
例②:福井県の中学校教員・友望(とも)さんのケース
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27歳で自ら命を絶つ。
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担任、未経験の野球部副顧問、問題生徒対応などを一手に引き受ける。
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月169時間の残業(※過労死ラインの2倍以上)。
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両親にすら異変に気づかれず、死後に「今ほしいものは“睡眠時間”」と日記に残されていたことがわかる。
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裁判で福井県と町に約6500万円の賠償命令。校長らの対応不備が認定される。
ブラック勤務の背景にある法律:「給特法」
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「教職調整額(給特法)」により、教員はどれだけ残業しても残業代は一切支給されない。
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月給の4%が「残業代相当」として上乗せされているが、これは半世紀前の働き方を基準にしたもの。
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この法律が管理職の勤務時間への無関心やコスト意識の欠如を助長しているとの指摘も。
対策と課題
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文科省は2022年、残業時間の上限を月45時間とガイドラインで設定。
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しかし、法的拘束力はなく、抜本的な改革はされていない。
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現在でも教員不足は2500人以上とされ、ブラック勤務問題が人材離れの主因とされる。
結論
教員の長時間勤務・過重労働は、個々の人生を破壊し、教育現場の未来をも危うくしています。
**「人を増やすか、仕事を減らすか」**の本質的な選択が求められています。