4日、自民党総裁選が行われ、高市早苗氏が新総裁に選出された。
劇的だった。
平成24年の、安倍総裁が選出された総裁選に匹敵するくらい劇的だった。
「【長編ドキュメント】 「大逆転だった」高市氏が初の女性首相へ 決選投票で小泉氏破る 勝因は“キングメーカー”の動向? #自民党総裁選」 YouTube2025年10月4日
私としては、高市氏に期待していた。
しかし、大方の予想は、議員票を最も固めている小泉進次郎氏。
林芳正氏も議員票を着々と固め、小泉vs林も頭をよぎる。
私は「選挙ドットコム」の実況中継を見ていた。
1回目の投票が集計される。
議員票が、小林鷹之・44票、茂木敏充・34票。
出演者がざわつく。
想定よりも多いのだ。
林芳正・72票、高市早苗・64票、そして、小泉進次郎・80票。
党員票を合算し、1位が高市・183票、2位が小泉・164票。
なんと、高市氏が1位通過で決選投票へ。
小泉陣営は、出陣式に92人が参加していたが12人が裏切っており、「カツカレー食い逃げ」がトレンドに入ったそうな。
「【自民党総裁選2025開票速報LIVE】朝日新聞・今野忍×選挙芸人・山本期日前×選挙ドットコム編集長・鈴木邦和が徹底解説!新総裁の座は誰の手に!?|選挙ドットコム」 YouTube2025年10月4日
※ 1回目の議員票集計は1時間5分~
決選投票。
小泉氏の演説。思い出話と党内融和くらいで、特に中身はなかった。
対して、高市氏は、立党宣言に立ち返り、政治の方向性を語った。
議員票は、高市・149票、小泉・145票。
高市氏は、党員票のみならず、議員票では不利と見られていたが、なんと、議員票でも小泉氏を上回り、完勝を飾った。
選挙ドットコムの出演陣も混乱する。
単純化すれば、林票が小泉氏に流れれば、152票となり、小泉氏が勝つはず。
しかし、そうならなかった。
自民党公式LINE2025年10月4日
各メディアで報じられている通り、裏には麻生太郎氏の根回しがあった。
1回戦で小林・茂木に票を貸す。
その代わり、決選投票では高市氏に票を流す。
誰もが思いもよらないシナリオを描き、勝利した。
老獪さが極まる名人芸であった。
平将明氏は麻生氏について「以前ほどの影響力はない」などと嫌味を言っていたが、格の違いを見せつけた格好だ。
派閥解消などと叫ばれるが、派閥の強さが明白となった。
「「麻生さんとは貸し借りあった」高市新総裁 逆転勝利のキーマンは麻生最高顧問 1回目の投票では小林氏・茂木氏に協力|TBS NEWS DIG」 YouTube2025年10月4日
「「麻生さんとは貸し借りあった」高市新総裁 逆転勝利のキーマンは麻生最高顧問 1回目の投票では小林氏・茂木氏に協力」 TBS NEWS DIG 2025年10月4日
「今回、高市氏が決選投票の議員票で小泉氏を逆転した裏には何があったのでしょうか?自民党本部から与党キャップの橋口記者の解説です。
まずはこちらのボードをご覧ください。1回目の投票での議員票の動きですが、高市氏が3番手になってる一方で、JNNの終盤情勢でそれぞれ30人前後の支持とみられた小林氏と茂木氏が44人、34人と上積みされているのが分かります。
さらにこの2人の陣営の票が決選投票で高市氏に流れたとみられています。
実はこの背景には、党内で唯一の派閥を率いる麻生最高顧問の存在があります。
派閥の関係者によりますと、麻生氏はきょう午前、周辺に決選投票では高市氏を支持する考えを伝えるとともに、1回目の投票では小林氏と茂木氏に入れるよう求めていました。
これは、両氏に1回目の投票では協力することで決選投票では高市氏に入れるよう求める戦術で、実際、茂木氏の陣営幹部はJNNの取材に「麻生さんとは貸し借りがあったので2回目は高市氏に入れた」とあきらかにしました。
小林氏も敗戦の弁のなかで高市氏に投票したと話しています。
こうした狙いが功を奏し、決選投票では高市氏が大幅に議員票を積み上げ、党員票と合わせて小泉氏を振り切ったものとみられます。
ただ、勝利の立役者となった麻生氏は自らに近い鈴木総務会長などの要職起用を求めていくものとみられ、さっそく、「挙党一致」を掲げる高市氏がどのような人事をおこなうかが焦点となります。」
とはいえ、小林票・茂木票が高市氏に流れるだけでは足りない。
林票がいくらか高市氏に流れている。
これについては、総裁選前に、櫻井よしこ氏が取材をしている。
平沢勝栄氏は決選投票では高市氏に投票すると答えている。
鳩山二郎氏、江藤拓氏、滝波宏文氏もおそらく高市氏に投票したのではないか。
「永田町攪乱!“嘘情報”駆け巡る。櫻井よしこが林芳正氏を支持する議員に「なぜ日本を壊した岸田、石破内閣の官房長官を支持するのか」を電話取材!」 YouTube2025年10月3日
私が高市氏に期待したのは、保守の理念はもとより、経済だ。
何を為すにも、先立つものがなくては始まらない。
財務省ベッタリの財政規律路線では、経済政策を誤る。
財務省理論は、増税して財政が健全化すると企業・国民が安心してお金を使って景気が良くなるという、トンチキな理論だ。一部では「ザイム真理教」と揶揄されている。
東京大学、ハーバード大学を出たお歴々がこれを信じているのだから、わけがわからない。
なぜ経済学を無視して、長期デフレ不況を現出した財務省を信じるのか。
高市氏は、いわゆる上げ潮派で経済成長を重視し、「公債のドーマー条件」を理解しており、安定した経済運営を期待できる。
故・安倍晋三氏は、第二次政権では「まずは経済」と、経済政策に注力した。経済を改善して国民から信頼され、議席を増やして政権を安定させる。そして、積年の重要課題に当たる。
残念ながら、本丸の憲法改正には到らなかったが、この順序は正しい。保守こそ経済に明るくないといけない。
高市氏は、立党宣言に言及している。つまりは憲法改正、戦後レジームからの脱却を目指すということだ。
その前段として、経済を通じて国民から信用される必要がある。
高市氏には「積極財政」を期待する向きが強いが、積極財政はインフレを促進する方向性を有する。
現実と期待とどう折り合いをつけるか、手腕が試される。
「会田卓司 (エコノミスト)『#自民党総裁選 あす投開票』おはよう寺ちゃん”残業中!” 10月3日(金)」 YouTube2025年10月3日
今回の総裁選は、個人的にはいろいろと勉強になるものだった。
ある自民党の熱心な支持者から、「高市は保守過ぎてダメ」と言われた。
自民党は保守政党なんだからリベラルに傾く方がおかしくない?保守で何の問題があるの?と素朴に疑問に思った。
党首が誰になるかによって、保守からリベラルに、右から左に、全然違う党になってしまう。
党員も右往左往してしまう。
そっちの方がおかしくないか?
現に、石破政権で反安倍に振れまくって、党員が大幅に減っている。
という疑問を持って調べてみると、自由党と民主党の保守合同という出自に遡る。
どちらの系譜が権力を握るかで、党の性質が大きく変わってしまう。
党内で理念を共有できないため、理念で一致する近代政党になることもできない。
理念がバラバラなので、「自民党は自分党」状態になってしまう。
党の理念が不明確なら、自身の理念を表明しないのが賢いのかもしれない。
しかし、今回の高市派の盛り上がりを見ると、保守であれば、理念を表明した方がよいのではないか。
増税派ではない高市氏が総裁に就き、日本は一息つくことができた。
しかし、政権与党内に財務省路線を支持する勢力も多数いるわけで、油断はできない。
故・安倍総理には「安倍側近」と言われる議員がいたが、高市氏にはそういう話を聞かない。
高市体制でも前途多難ではあるが、戦後レジームからの脱却に向けて歩みを進められることを期待したい。






