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独立直観 BJ24649のブログ

流行に浮かされずに独り立ち止まり、素朴に真っ直ぐに物事を観てみたい。
そういう想いのブログです。

 4日、自民党総裁に、高市早苗氏が選出された。

 少数与党であり、連立拡大へと協議に乗り出すが、10日、公明党が連立から離脱した。

 

 

 

 

 

 

 大方、なんだかんだ言って公明党は連立に残るのだろう、などと見られていたのではないだろうか。

 ところが、斉藤哲夫代表から予想外の決断。

 公明党の連立離脱については、様々な声が上がっている。

 最大の関心事は、「高市だから解消なのか」だろう。

 高市氏自身も斉藤氏に問うており、斉藤氏は「誰が選ばれても同じ」と否定している。

 いやいや、本当は高市総裁だからなんじゃない?という勘繰りが尽きないものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 公明党からは、「(1)「政治とカネ」問題(2)歴史認識問題(3)過度な外国人の排斥問題」について懸念が示されていた。

 (2)(3)については折り合うことができたが、(1)ができなかった。 

 公明党の求める企業団体献金規制は、献金の受け入れ先を政党本部と都道府県連に限定するもので、自民党には到底受け入れられないものだった。

 高市氏は党に持ち帰ろうとしたが、斉藤氏はこれを許さず、即断を求めた。

 こんな要求を飲めるはずもなく、公明党は自民党に「ハル・ノート」を突き付けたに等しい。

 

 

 

 

 

 

 

 政治資金規正法はややこしい。

 馴染みが薄い上に、「政治とカネ」の問題が出るたびに手直しして、複雑化しているのだと思う。

 法律上、企業・団体は、政治家個人に対して寄附をすることが禁止されている。

 他方、政党支部に寄附をすることは可能で、各議員は政党支部を持ち、寄附を受けることが可能になっている。

 結局、議員個人が献金を受けているのと大差ないではないかと、政党支部は議員の「第2の財布」と呼ばれることもあるようだ。

 公明党案を飲めば、支部での献金を受けられなくなり、特に地方組織で大混乱が生じる。

 自民党が飲めるわけがない。 

 

 

 

総務省「政治資金規正法のあらまし」

https://www.soumu.go.jp/main_content/000174716.pdf

 

 

 

 

 政党支部は、各都道府県のHPの、政治資金収支報告書のページで一覧できる。

 試しに自民党と公明党を比較してみてほしい。

 自民党がゴチャゴチャと並んでいるのに対し、公明党はスッキリしている。

 公明党がスッキリしているのは、宗教政党であり、トップダウンで物事を決め、党主導で選挙ができるからだろう。

 対して自民党は、そもそも出自が保守合同という寄り合いであり、「自民党は自分党」と揶揄されるほど一体感がなく、選挙は自己責任のところが大きく、軍資金も自分で集める必要がある。

 杉田水脈氏が「一口2万円のビール」と、新人の頃の素朴な驚きをブログに綴ったことがあったが、政治資金パーティーによるカネ集めも議員には必要なのである。

 

 

 

 

 

 

 

 選挙ドットコムちゃんねるに斉藤氏のロングインタビューが出ていたので視てみた。

 公明党としてはもともと連立を解消したかったという印象を受けた。

 というのは、支持母体の創価学会から、自公連立に対する不満が上がっているのだ。

 

 

 

 「【斉藤代表!首相になる覚悟は!?】連立離脱から一夜明け、斉藤代表は今何を思うのか/野党公明党はどこへ向かう?高市自民との今後の関係は?決選投票は誰に入れる?/新進党時代の再来はあるか?|選挙ドットコム」 YouTube2025年10月11日

 

 

 

 公明党としては、連立に入っていた方が得だろう。

 大臣ポストも手に入るし、選挙協力もできる。

 公明党としては自公連立を続けたいとしても、信者からの突き上げに耐えられなくなったのではないか。

 「政治とカネ」の問題など古くからある。だけど自公連立は続いてきた。

 靖国神社などの歴史認識問題や、対中姿勢を理由に連立を組めないとしたら、安倍政権での連立を説明できない。

 高市体制は第2次麻生政権と言われるほど麻生派を重用しており、麻生氏は公明党を「がん」と呼ぶほど嫌っており、これを連立解消の理由に挙げる人もいる。しかし、麻生政権は自公連立だった(斉藤氏は麻生内閣の環境大臣)。

 にもかかわらず、この度の連立解消。

 個人的な憶測だが、一昨年の池田大作氏の死去、そして昨年から今年にかけての衆院選、都議選、参院選の3連敗が転機だったのではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 池田氏は、創価学会の第3代会長で、公明党の創設者。

 池田氏は創価学会を飛躍的に成長させた。

 令和5(2023)年11月15日に死去した。

 創価学会にとって選挙支援は信仰心を試される「法戦」

 信者たちは、自民党に不満を抱きつつも、池田先生が作り上げた自公連立政権を守ろう、我慢して「功徳」を積もうと、不満を抑えられたのではないか。

 ところが、その池田氏はもういない。

 その上、岸田政権、石破政権と、党内の権力闘争なのか、清和会(旧安倍派)の政治資金不記載問題にケジメをつけずに長引かせ、昨年の衆院選、今年の都議選、参院選と、自公政権は大惨敗を喫してしまった。

 巻き添えを食らった公明党および創価学会にとってはたまったものではない。

 信者たちは生き方に清廉さを求めており、政治とカネの問題や不倫の問題に厳しい。

 自民党のカネの問題で公明党も選挙に負け、功徳を積めないとなると、宗教的信条の問題になってくる。

 信者の不満が沸点を超え、既に自公連立の継続は絶望的なのに、高市総裁の爆誕。誰が総裁でも連立離脱とはいえ、離脱を決断しやすくはなっただろう。

 反中色が強く、憲法9条改正を訴える高市氏は、日中友好で憲法9条改正反対の公明党・創価学会とは合わない。

 上記のような麻生氏の重用のみならず、収支報告書の不記載問題で8月に政策担当秘書が逮捕された萩生田光一氏を幹事長代理に抜擢。

 こんな自民党でも引き続き応援してほしいと、信者を抑えるのにムリが来たのではないか。

 加えて、日本維新の会への連立の打診。もともとは維新と公明党は協力関係だったが、昨年の衆院選で吉村代表が「公明党をぶっ潰す」と対立候補を立て、公明党は全滅。

 自公維の連立は厳しいように思う。

 

 

 


「【自公連立解消】創価学会員の本音を聞いてみた!これからの公明党に期待することは?選挙はどうなる?」 YouTube2025年10月17日

 

 

 

 

「意外と知らない池田大作 『偉人たちの戦後史』憲政史家倉山満 孫子経営塾理事海上知明【チャンネルくらら】」 YouTube2022年11月13日

 

 

 

 

 創価学会員は827万世帯だが、公明党員は45万人。

 信者の一握りしか党員になっていない。

 公明党は、今年の参院選の比例代表では521万票。700万票を目標にしていたが、3年前より100万票ほど減らしてしまった。

 信者が公明党の候補者に投票しているとは限らない。

 自公連立に愛想を尽かせて他党に投票している可能性もあるし、投票に行っていない可能性もある。

 自公連立を続けて学会の公明党離れを続けるより、自公連立を解消して、組織の引き締めを図った方がよいと、選択したとも考えられないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても、公明党との連立解消に到り、「総総分離で石破政権続投」「総裁選をやり直すべきだ」と主張する船田元氏。

 総裁選前倒しにも反対していた。

 新体制で一丸となるべきときに反旗を翻すのも愚かだし、公明党の意向に従って総裁を選ぶべきだと言っているに等しく、ますます愚かである。

 かつて「政界のプリンス」とも称された彼も堕ちたものだ。