ホルムズ海峡を封鎖するだの封鎖返しするだの、わけがわからない状況になっている。
「通行料を支払った船は通過できている。政府はイランと交渉しろ。」などという意見があったようだが、23日に初めて通行料を取っており、それまでは通行料を取っていなかった。
イランが機雷を敷設し、アメリカが機雷の除去に乗り出しているが、これには6カ月かかるという報道がある。が、米国防総省は6カ月もかからないと、報道を否定している。
戦争終結に向けての流れはできているという見方もあるが(下記内藤陽介氏)、アメリカは戦況をコントロールできずにエスカレートさせているという見方もある(下記奥山真司氏)。機雷というファクターが大きくなっているところにエスカレートを感じる。
一直線に終結に向かうのではなく、エスカレートしたり落ち着いたりを繰り返しながら徐々に終結に向かっていくのかもしれないが、いずれにせよ、終結したら機雷が消えてなくなるわけでもなく、終結して安全になってから機雷除去が本格化するわけで、ホルムズ海峡を安全に通過できるようになるまでにはまだ時間がかかりそうに思う。
【速報】ホルムズ海峡通航の船舶 イランが「通航料」を初徴収 イランメディア(TBS NEWS)#Yahooニュースhttps://t.co/gbPPCNAuvJ
— JSF (@rockfish31) April 23, 2026
今日初めて徴収したらしくて草。じゃあこれまで過去に交渉勢が言ってた「金払ったから通過できたんだ」という主張は何だったんだろ?
「【最終局面】米イラン停戦延長も…イラン限界、最後は革命防衛隊が…(小泉悠×内藤陽介×江崎道朗)さんが解説!」 YouTube2026年4月23日
(2分42秒~)
「【徹底解説】なぜトランプはイラン攻撃に失敗したのか?5つの致命的ミスと原油高騰・中東混乱・戦争エスカレートの全貌《奥山真司×山本期日前》」 YouTube2026年4月20日
2~3週間ほど前、ネット上で、マスコミがナフサ不足を煽っているとの批判を見た。
国内需要4か月分は確保されており、マスコミが大袈裟に不安を煽っている面はあるにしても、現実問題として、流通に目詰まりが起きていて、私の知る建設会社からも悲痛な声が上がっている。
仕事はあるのに資材が手に入らなくて仕事ができない、このままでは倒産だ、という人もいた。
あまり論じられていないようだが、内閣官房参与の細川昌彦氏が、ナフサについて「備蓄義務撤廃のツケ」を指摘している。
かつては民間にナフサの備蓄義務があった。しかし、コストの問題から、業界からは備蓄義務撤廃を求めた。業界は供給に責任を持つと豪語し、平成5(1993)年、備蓄義務は撤廃された。
ナフサの裾野は広く、その供給不足がいかに深刻かを思い知る事態となっている。
果たして責任を取ることなどできるのか。
昨日の一部報道番組で、ナフサの供給について、「日本は6月には供給が確保できなくなる」との指摘がありました。…
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) April 5, 2026
「【ナフサ不足の真相】ユニットバス、シンナーなどで供給懸念/問題は流通経路での「目詰まり」/93年、備蓄義務撤廃のツケ/石油と違う流通構造/アジアで石油製品の融通システム構築を【ナナメから聞く】」 YouTube2026年4月15日
「ユニットバス、シンナーなどで供給懸念…ナフサ不足の真相と1993年備蓄義務撤廃の誤算」 JBpress2026年4月15日
——そもそもナフサの供給構造はどうなっているのですか。
細川:日本で使われているナフサのうち、国内で原油を精製してつくられているのは約4割。残りの約6割はナフサそのものを海外から輸入しています。「より安い原料を使いたい」という石油化学業界の判断が背景にあります。結果として、日本のナフサ供給はコストを優先し、輸入依存を高めてきた構造になっています。
さらに、ナフサの約4割は中東からの輸入に依存しています。つまり、ホルムズ海峡が封鎖されれば供給が止まります。
かつてナフサも石油と同様に備蓄義務がありましたが、備蓄にもコストがかかるとして、1993年に備蓄義務の対象から外れました。私はこれが大きな間違いだったと思います。背景には在庫を抱えたくない石油化学業界の強い意向がありました。当時、業界は「供給は自己責任(で対応する)」と豪語していましたが、30年超を経た今、その供給責任を果たせているでしょうか。業界の責任は重いと思います。
もちろん、当時は激しい国際競争を背景にコスト削減を優先したかったという事情はあるでしょう。しかし、80年代と現在では状況が大きく変わっています。日本の石油化学業界は国際競争力を失い、今や業界再編が進んでいます。
日本の石油化学業界の生きる道は高付加価値製品に特化していくことだと見ています。そのため、今回の事態が沈静化した後に、備蓄義務の見直しとあわせて、高付加価値製品への支援策といったアイデアや議論が必要になるでしょう。
——ナフサについても国家備蓄だけではなく民間備蓄も必要ですか。
細川:石油は元々の民間備蓄に国家備蓄を加えて供給を支えています。ナフサについても、多くの産業の基盤を担う重要物資を扱っている以上、石油化学業界が果たすべき供給責任に伴い備蓄義務はあると思います。
イランに侵攻したアメリカだが、多数の武器弾薬を消費しており、備蓄が大きく減っている(下記プライムニュース後編15分55秒~)。
CSISは備蓄の回復に1~4年かかると分析する。
本来は中国に備えるはずの武器弾薬を、イランで大量に使ってしまった。
韓国からはTHAADが移転され、日本に導入予定のトマホーク400発も遅れが出る。
世界最強の米軍であるが、思いのほか武器弾薬の備蓄は多くなかったのかもしれない。
また、佐世保基地に配備されていた強襲揚陸艦トリポリや沖縄の31海兵隊がイランに派遣されており、対中抑止力が弱まっている。
米軍の抑止力も絶対ではない。
「【見えぬホルムズ開放】イランも「拿捕」影響と深刻度は 松本太×峯村健司 2026/4/23放送<前編>【BSフジ プライムニュース】」 YouTube2026年4月23日
「【米の軍事力消耗どう影響】アジアに「力の空白」中国は動くか 松本太×峯村健司 2026/4/23放送<後編>【BSフジ プライムニュース】」 YouTube2026年4月24日
(15分55秒~)
石破政権では、支持率低下を恐れたのか、米不足にあたって備蓄米を大量に放出し、多くの国民がこれを歓迎したように思うが、有事を軽んじているのではないか。米の不作が続けば備蓄の回復も遅れるのではないかと思うが、本当に大丈夫なのか。
日本は稲作文化で、天災も多く、備蓄を重んじる民族性・国民性だったのではないかと思うが、生活様式が変化して、備蓄に関する感覚にも変化が生じているのだろうか。
リブログ元の記事で、寺田寅彦を引用した。
寺田は「天災は忘れた頃にやってくる」という名言で知られる(「正しく恐れる」同様、原文は異なる。)。
戦後80年が経過し、日本全体として戦争を忘れている。
戦争の悲惨な記憶を継承しようなどと、日本は反省して軍備を持つべきではないという方向性の記憶は尾ひれ背びれをつけて過剰に継承するが、戦争に備える意識が薄れていっている。
世界は不安定さを増し、未来は約束されていない。
非常時への備えの重要性が再認識されるべきと思う。
滝田洋一 「天災は忘れた頃に…寺田寅彦の警句は生かされているか」 日経BOOKPLUS 2023年8月23日
まな弟子が広めた「名言」
1923(大正12)年9月1日正午2分前。東京など首都圏をマグニチュード7.9の大地震が襲った。関東大震災である。内閣府によると、死者10万5385人、全壊、全焼、流失した家屋は29万3387戸。電気、水道、道路、鉄道など生活基盤にも甚大な被害が発生した。
「天災は忘れた頃にやって来る」。関東大震災から100年を経て、改めて寺田寅彦(1878年[明治11年]~1935年[昭和10年])の警句が想起される。物理学者であり、夏目漱石門下の随筆家らしい名言である。名言によくあることだが、本当の言い回しはちょっと違う。
「平生からそれ[天災]に対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それができていないのはどういうわけであるか。その主なる原因は天災が極めて稀にしか起こらないで、ちょうど人間が前車の覆轍を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようなことになるからであろう」(「天災と国防」/1934年[昭和9年])
「二十世紀の文明という空虚な名をたのんで、安政の昔の経験を馬鹿にした東京は大正12年の地震で焼き払われたのである」「[減災の]残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するより外はないであろう」(「津浪と人間」1933年[昭和8年])
これらの文章は人間の記憶の頼りなさを浮き彫りにして、古びることがない。『 天災と国防 』(講談社学術文庫/2011年)と『 天災と日本人 寺田寅彦随筆選 』(角川ソフィア文庫/同)に収録され、手軽に接することができる。2つの文庫版が2011年に刊行されたのも偶然ではあるまい。この年の3月11日に東日本大震災が日本を襲い、寅彦の先見性が改めて認識されたからだ。
寅彦のこれらの文章のエッセンスを凝縮した「天災は忘れた頃にやって来る」。警句を紡ぎ出したのは寅彦のまな弟子、中谷宇吉郎(1900年[明治33年]~62年[昭和37年])である。寅彦同様に物理学者であり、随筆家でもある中谷は事の経緯を『西日本新聞』(55年[昭和30年]9月11日付)に書き留めている。
「実はこの言葉は、先生の書かれたものの中にはないのである。しかし話の間には、しばしば出てきた言葉で、かつ先生の代表的な随筆の一つとされている『天災と国防』の中には、これと全く同じことが、少しちがった表現で出ている」(中谷「天災は忘れた頃来る」、『 中谷宇吉郎随筆集 』[岩波文庫]所収)
寅彦の随想の中にはない言葉。それをあると思い込んでいた中谷が、「この言葉を引用(?)して『天災は忘れた頃来る』という寅彦先生の言葉は、まことに千古の名言であると書いておいた」という。かくて寅彦のものとされる警句が世に広まった。冷静な観察眼と温かい心を持つ寅彦の人柄が、本人よりも本人らしいこの警句とともに今日まで伝わっているのだ。
【4月26日追記】
「【エネルギー専門家】ホルムズ封鎖でも株高の逆説/ナフサ不足の急所/変わらないガソリン代と他国との情報格差|ゲスト:大場紀章さん」 YouTube2026年4月25日








