独立直観 BJ24649のブログ

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流行に浮かされずに独り立ち止まり、素朴に真っ直ぐに物事を観てみたい。
そういう想いのブログです。

 アメリカ・イスラエルによるイラン侵攻に関する情報が様々に報じられ、解説されている。

 日本はイランとも友好関係にあるが、同盟国であるアメリカの方が重要だ。

 アメリカは有利なのか不利なのか。

 日々の戦局を見れば、圧倒的な大国であるアメリカが有利だ。

 しかもイランが弱れば中国も困るとなれば、誠に喜ばしい。

 が、識者からはアメリカを不安視する声が上がる。

 親中だから、オールドメディアのポジショントークだから、というわけではない。

 アメリカの基本戦略を踏まえていればこそ、「大丈夫か?」と、不安・疑問がよぎるのだ。

 「あいつはアメリカを批判していた。親中かもしれない。信用できない。」として、基本を踏まえた良識人を忌避してしまうと、あらぬ方向に迷走しかねない。

 底に流れる基本を知らないと、情報の洪水に流されてしまう。

 というわけで、アメリカの戦略の基本を紹介する。

 

 

 

「【トランプ延期】ホルムズ海峡開放の行方は?日米首脳会談を徹底総括、高市総理の立ち回りの是非《奥山真司×近藤大介》」 2026年3月23日

(5分50秒~)

 

【追記】

 

「【上念司×奥山真司】「スマート爆撃の罠」コスパ最強のはずが「泥沼」へ。空爆万能論を完全否定する5つの理由|奥山真司の地政学「アメリカ通信」」 YouTube2026年3月22日

 

【追記ここまで】

 

 

 

 アメリカには3つの正面がある。

 ①西欧、②中東、③東アジアである。

 アメリカの戦略的脅威は③東アジアの中国。ここが最重要である。

 が、アメリカはたびたび②中東に首を突っ込んでしまう。

 それは③東アジアに備えるべきという基本に反するわけで、警戒すべき事態となる。

 識者の方々はこういう基本認識を持っており、イラン侵攻にも懸念を示すわけだ。

 せっかくバイデン政権がアフガニスタンから引き揚げてきたのに、トランプ政権が今度はイランに向かってしまった。しかも昨年の「12日間戦争」への参加と異なり、イランの体制転換を掲げていて短期決着に疑問符が付く。となれば、日本には都合が悪い。

 基本を踏まえてイラン侵攻を批判する人もいれば、これを踏まえながらもイランの脅威の除去の方を重んじる人もいるし、単なる反日反米でイデオロギッシュに批判する人もいる。

 受け手は自分の目で誰がどれくらい信用に値するかを判断していく必要がある。

 

 

 

奥山真司「新しい戦争の時代の戦略的思考 国際ニュースを事例に読みとく」(飛鳥新社、2024年)105ページ~

 

第六章 アメリカの大戦略

アメリカ内戦こそ世界最大の「地政学リスク」

 そのアメリカは2021年8月15日にアフガニスタンから撤退した。その様はあたかもベトナムからの撤退を思わせるような無残な姿に加え、20年も尽力したアフガン統治が一夜にして崩壊したことで、アメリカの指導力の低下、国力の衰退を象徴するものであるとの批判も飛び交った。

 だが私は実はアフガン撤退には楽観的である。なぜならこの「戦術レベルの失敗は、その上の「大戦略レベル」での利益を、アメリカ(そしてその同盟国である日本)にもたらす可能性が高いからだ。いわば、中国を中心とするアジア情勢に、いよいよ本格的に注力できる状況が整ったともいえるからだ。

 アメリカが20世紀前半から保持しているとされる世界戦略では、「リムランド」と呼ばれるユーラシアの周辺部に、①西欧、②中東、③東アジアという3つの「三大戦略地域」を想定している。

 冷戦時代に、この3つの地域にそれぞれ同時に脅威を与えていたのはソ連という大きな帝国の存在だったが、冷戦後に超大国として世界の頂点に立ったアメリカは、ソ連の脅威がなくなったこれらの地域のバランスをうまく管理していけばいいだけだ、と楽観的にとらえていた。

 ところが1990年代にサダム・フセインがクウェートに侵攻して湾岸戦争がはじまると、アメリカは②の中東への介入を強めることになり、さらに2001年の9・11事件をきっかけに「テロとの戦争」から「中東全域の民主化」へと、目標を転換した。

 つまり、当初の2つの目標である

・アルカイダを匿(かくま)っているアフガニスタンのタリバン政権の排除

・首謀者オサマ・ビンラディンの殺害

を超えて、「中東全域の民主化」という新たな目標をひっさげ、崩壊したアフガニスタンやイラクの「国家建設」や「民主化」を狙い始めたのである。ところがこれは、東アジアで台頭しつつった中国への対処を遅らせるという意味で、実にまずい戦略的な間違いであった。

実施できなかった「アジア・ピボット」構想

 事実、その合間に中国は経済的に成長しただけでなく、軍事費も毎年二ケタ成長を続けており、2012年の習近平政権発足以来、南シナ海での人工島埋め立てによる海洋領土の拡大や、日本やベトナムとの領海争いを本格化させている。

 実際、アメリカも自身の大戦略の間違いに気づいており、オバマ政権(2009ー17年)で2011年に事件の首謀者とされるオサマ・ビンラディンを殺害したあとは、アフガニスタンなどに駐留する意義を失っていて、②の中東から戦力を退いて、③の東アジアで台頭する中国に注力する方針を示していた。

 ところがリビアなどで余計な介入を続け、シリア内戦やISISの台頭などが続き、結果としてオバマ政権は②の中東から手を引くことなく、アメリカはトランプ政権のタリバンとの合意まで不毛な介入を続けることになったのだ。

 このような流れから考えると、バイデン政権のアフガニスタン撤退は、アメリカが2001年に犯した大戦略の間違いの修正であり、株式投資で言われるところの「損切り」であったと言える。

 これによってアメリカは、テロという戦術的な脅威だけではなく、より大きな戦略的な脅威となる、③東アジアの中国に真正面から対処できるようになったのである。

 それは、現在のアメリカの戦略的な脅威である中国にとって、今回のアフガニスタン撤退はどう映るだろうかを考えることで見えてくる。

 「チャンス到来だ」とか「該当地域を、中国はすでに何千年にもわたって隣でコントロールしてきたので、タリバンが政権をとっても大丈夫だ」という楽観論もあるが、果たしてそうだろうか?

 たとえばよく話題に上がるのは、カブール近郊の世界でもトップクラスの埋蔵量を誇るアイナク銅山をはじめとする、手つかずの天然資源だ。「北京が影響力を増せば優先的に開発できるようになる」という議論もあるが、アフガニスタンにはそもそも開発ができるようなインフラが整っておらず、たとえ採掘できたとしてもそれに見合うほどの低コストで実現するとは思えない。

 また、「中国はアフガニスタンのような周辺の不安定をコントロールしてきたから、これからも問題ない」とする意見だが、これも楽観に過ぎる。現在、対外的な軍事力の整備よりも国内の治安維持の方にコストをかけている中国の立場から見ると、アフガニスタンとほんのわずかしか国境(ワハーン回廊付近の90キロ前後)を接していないにもかかわらず、イスラム系のテロリストが流入する可能性が強まることを考えると、国内にウイグル問題を抱える立場としては楽観視はできない。

 つまりアメリカ(と日本)の立場からすれば、今回の米軍のアフガニスタンからの撤退は、中国の国家リソースを、海洋進出ではなく、内陸側の情勢安定に向けさせることになる。

 逆に言えば、これまで中国が南シナ海をはじめとする海洋進出が可能になったのは、内陸の最果ての不安定なアフガニスタンを、アメリカがこの20年にわたって抑えておいてくれたからだ。前述したように、その合間にできた余裕で、中国は海洋進出を進めることができたのである。

 つまり中国にとって、アメリカの20年間にわたるアフガニスタン駐留は、実に「ありがたいもの」であったと言える。

 この抑えが外れたいま、③の東アジアへの中国の圧力がわずかだけでも下がる可能性というのは、安全保障や戦略的な観点からみれば、アメリカだけでなく日本にとっても歓迎すべきことであろう。

対中戦略の修正

 ではアメリカの対中姿勢はどうなのか。ロシアのウクライナ侵攻によって、当面、対処しなければならない事態が発生したことは確かだが、実際には国際社会は米中対立の大きな構造に取り込まれつつあった。

 米中の「新冷戦」は、マイク・ペンス副大統領(当時)が、2018年10月4日にワシントンDCにあるハドソン研究所というシンクタンクで演説をしたことで本格的に始まったとされている。

 この演説で、ペンスは「中国がアメリカに影響力工作をさまざまなレベルで行っている」として、トランプ政権は「米国の利益と雇用、安全保障を守るために断固として行動する」と、かなり強い口調で中国に対抗していく強い意志を示した。

 ところがこの「ペンス演説」から数年たった現在も、アメリカでは冷戦時代のソ連に対する「封じ込め」のような、何か「統一された対中戦略」のようなものがあるとは言えない状況だ。「習近平をはじめとする幹部たちの資産を狙え」と論じた匿名論者による提言書のように注目を浴びたものもあれば、半導体輸出規制など、一部では確かに「デカップリング」(経済関係の切り離し)は進んでもいる。

 だが、アメリカ政府の総意として中国にこのように対抗していこうというコンセンサスを一つの戦略としてまとめたものは存在しない。」

 

 

 

【3月29日追記】

 

 

【追記ここまで】

 

 

 

 中国経済はデフレだ、イラン侵攻による原油不足は中国経済に更なる打撃になる、などという話は、このブログを見るような人であれば耳にしているだろう。それこそ上念司氏がそういう発信を行っている。

 ただ、奥山「戦略的思考」は、「ピークアウトした大国が最も危ない」とも指摘する(152ページ~)。

 中国経済は鈍化してピークアウトを迎え、周辺国も包囲網をつくりつつある。焦った中国が危険な行動に出るおそれが強まる。現在は危険な時代=デンジャー・ゾーンであり、「封じ込め」が重要だ、という話だ。

 なお、中国はピークアウトしていないという分析もある。結局、アメリカ側もさらなる軍拡が必要だ、という話になる(168ページ~)。

 中国は情報が不透明で行動の予測が難しい。それゆえに、「一定のセオリーを使って予測を立て、それを適時修正しながら実践にあたる態度が求められるのだ」(173ページ)。

 国際社会には警察官・裁判官はいない、イランの人権弾圧を制裁したアメリカは正当だ、などという意見もあるが、それは目下のイラン侵攻のみにフォーカスした視点であり、「セオリー」を踏まえて俯瞰した幅広い視野ではないように私には思える。

 在韓米軍がTHAADを中東に向けて搬出しているという情報もある。

 こういう状況が東アジア情勢に好ましいのか。日本に好ましいのか。

 

 

 

 

「イラン戦争と日本の決断~アメリカの攻撃は不正か?【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】」 YouTube2026年3月25日

(21分~)

※ アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、国際法上正当化できない不正な戦争。

 

 

 

 島国を侵略するのは困難で、中国はまだ台湾侵略の準備ができていないという指摘もある。

 12日、全人代が閉幕した。

 2026年の経済成長率目標が4.5~5.0%、国防費は前年比7%増。

 一見すると大きな数字だが、昨年よりも微減している。

 また、米国家情報長官室は、18日、「​世界の脅威」に関する年次報告書で、‌中国は2027年までの台湾侵攻は計画していないとの見方を示した。

 こういう背景も、アメリカをイラン侵攻に向かわせた原因かもしれない。

 ただ、侵攻を仕掛けたアメリカの方が焦っている面もあり、本当にきちんと考えているのかと、不安にさせる。

 

 

 

「「地政学」について質問ある? | Tech Support | WIRED Japan」 YouTube2026年3月25日

 

 

「170中国全人代」 YouTube2026年3月23日

 

 

「【※日米首脳会談※】実は、強烈メッセージを送っていた高市総理からトランプへ / 米報告書、中国27年の台湾侵攻計画せず」(多田将×中川コージ×小泉悠)さんが解説!」 YouTube2026年3月20日

(7分47秒~)

 

「【トランプ大統領】「贈り物をくれた」「この戦争に勝った」停戦に“前のめり”も…協議実現は?」 YouTube2026円3月25日

 

【3月29日追記】

 

 

【追記ここまで】

 

 

 

 中国は「認知戦」を強化している。

 情報工作を仕掛けてきているからこそ、惑わされないよう「セオリー」が大切になる。

 不透明な状況だからこそ、基本が大切になってくる。

 

 

 

「【中国認知戦の脅威】対日批判で日本を分断?/台湾有事「だけじゃない」沖縄・尖閣を睨む中国の思惑とは《奥山真司×近藤大介》」 YouTube2026年3月25日

 

【追記】

 

 

 

【3月27日追記】

 

「イラン攻撃は「第2のベトナム」か?トランプが陥るミッション・クリープの罠|奥山真司の地政学「アメリカ通信」」 YouTube2026年3月27日

 

【3月30日追記】

 

「【中国が"異常な動き"】東シナ海に1200隻の中国漁船を集結…その狙いとは?(小泉悠×阿比留瑠偉×有元隆志)」 YouTube2026年3月30日

 

「【5年目ウクライナ戦争の結末:小泉悠】イラン攻撃の裏でロシアが得する構造/消耗戦の先は「局地紛争化」/貧困と戦争が生む“生死の偏り”とは《現代戦争論》」 YouTube2026年3月30日

(30分~)