シシリヤで久しぶりのナポリピッツァ | BJ-M

シシリヤで久しぶりのナポリピッツァ

横浜で、ナポリピッツァを食べるとなると、

間違いなく出てくるのは「シシリヤ」。

 

だが、横浜で本格的なナポリピッツァを出す店としては、

パイオニア店の一つと言って良いだろう。

 

2001年頃、クラブハウスがあったカネサカビルの隣にあった「ヴィスコンティ」は、

兵庫の「SAKURAGUMI」(真のナポリピッツァ協会会員)で修行したマスターが

薪窯ではなかったけど、美味いピッツァを焼いていた。

 

当然だけど通うようになって、色々とピッツァの事を教えてもらった事を思い出す。

 

オーダーするのは、基本中の基本とも言うべき「マルゲリータ」で、

「ヴィスコンティ」では牛のモッツァレラを使っていたけど、抜群に美味かった。

 

  

 VISCONTI:Margherita 2006/2/6

 

店内には、生地を熟成するための恒温ケースがあり、

イタリアの海塩のパッケージがカウンターの上に並んでいて、

それらは食べているとどうしても気になってくる。

 

生地の楽しさは歯ごたえとコルニチョーネの仕上がりにある、とか

マルゲリータはブッファラと言われる水牛のモッツァレラで作った方が美味い、とか

情報と体験が合わない状態が大きくなってきて、他の店で食べてみたくなった。

 

 

「横浜駅から保土ケ谷方向へ歩いて川沿いにある『オ・プレッチェネッラ』は、

 『真のナポリピッツァ協会』の看板を出していてブッファラを使っていると思います」

 

「え?その何チャラ協会って?」

 

「伝統的なナポリピッツァの材料と製法を守る職人をメンバーにして

 国際ガイドラインを持っている非営利団体ですね」

 

「へ〜

 で、そこに加盟しているなら、確かにブッファラはありそうですね」

 

 

・・と、そんな会話をした後、当然の如く行ってみたのだけど、

確かに美味いナポリピッツァを出すピッツェリアでありながら、

トラットリアというスタンスでイタリア料理を用意する店で、

とにかくコスト設定が高め!

 

結果、気軽に行けるワケも無く、ピッツァを食べたくなったら

「ヴィスコンティ」というのがパターンになる。

 

 

「そう言えば、関内に薪窯でピッツァを出す店ができたのですが、

 そこもブッファラを使うんですよ」

 

「え〜、知らなかった。」

 

「ウチもブッファラを使いたいんですけど高価なので、

 1枚2000円近くなると思うんですが、そこは1700円とかで

 出しているんで、ちょっと勝負できないんです」

 

「それは安いですねぇ」

 

 

 Sisiliya

 

当然だけど、偵察に行く。

確かに、新社屋のそばにできたピッツェリアは薪窯で、

入口付近には薪が積み上げられていた。

 

気になるマルゲリータ・ブッファラは、

なるほどモッツァレラの美味さが抜群ではあったが、

皮がちょっと軽い感じで、素っ気ないイメージがあった。

 

それなら、餅?って思う位の生地が楽しい「ヴィスコンティ」となるんだけど、

新社屋に完全に移転してしまうと、その近さから「シシリヤ」へ行く事が増えていく。

 

そんな状況の中で、行くと食べたくなるピッツァができた。

それは「ポモドーロ」

 

 

 Sisiliya:Pomodoro 2010/7/21

 

トマト・ベーコン・玉子のピッツァは、

生卵を乗せて窯で焼くので、半生な状態でソースとなる。

 

その濃厚な味わいは1枚でも満足できる程のボリューム感があって、

ビールにはワインにも合う楽しい1枚だったっけ。

 

そうして通うようになった「シシリヤ」では色々な思い出があるんだけど、

最大の思い出は男に口説かれそうになったこと(爆)

 

ま、それももう10年以上前の事だから笑い話だけど。

 

 

 

 

先日、たまたま見たTVで関内特集をやっていて、そこに「シシリヤ」が出ているのを見て、

久々にあそこのマルゲリータとポモドーロを食べたくなった。

 

コロナ前に行ったきり行ってないので今はどんな感じなのかはわからないけど、

予約を入れてみたら20:30頃なら空くかも・・な反応だったので、

相変わらずの人気なのだ、と気づかされる。

 

 

「奥のカウンターにどうぞ」

 

と言われて店の一番奥に入るのだが、

とにかく満席な上に狭い。

 

こんなに狭かったっけ?って思うのだけど、

奥のカウンターに過去座った事は無いからこんなだったのかも知れない。

 

まずはビールと「マルゲリータ・ブッファラ」をオーダーする。

 

え・・と、2000円ですか。

まぁ、円安の影響ですな。

 

マリナーラは1300円となっているから、無茶苦茶な設定では無い。

 

 

 

久しぶりの「マルゲリータ・ブッファラ」!

 

お〜〜〜

やっぱ、美味いわ。

 

すっげ〜って思う程ではないけど生地の美味さと焼き加減のバランスが最高で、

他の店で食べると「シシリヤ」の方が美味いって思わせる楽しさがある。

 

 

「マリナーラのトマト抜いてアンチョビ乗せたのできますか?」

 

「ソースがトマトなので、ビアンカで良ければアンチョビ・ビアンカが

 チーズとアンチョビだけのピッツァになります」

 

「それにニンニクとオレガノって追加できますか?」

 

「トマトソースじゃないって事ですね?」

 

「ソースはトマトでもOKで、

 ニンニク・オレガノ・アンチョビのトッピングが好きなんですよ」

 

「トマトソースでアンチョビがペーストで良ければ、

 マリナーラ・スペシャルがありますが。」

 

「ペーストじゃなくてアンチョビが良い。ニンニク増しで。」

 

「トマトソースでアンチョビ乗せだとケッパーが入りますがシチリアーナがあります」

 

「ニンニク追加できますか?」

 

「・・と、できます」(諦めたかな?)

 

 

隣に座ってる若いカップルがワケのわからないオーダーを叫んでいて、

ちょっと閉口する。

 

多分、TV見て来た初見客だろう。

最初の1枚はどうするって店の人にお勧めを尋ねた上で、

自分の好みのトッピングでピッツァをオーダーしようとごねているのだ。

 

ピッツェリアで、宅配ピザの様なオリジナルレシピに対応する店って

あるのかも知れないけど、この店はそういった対応はしない空気に

とっとと気づいて欲しいと思ってしまう。

 

サルシッチャって何?・・とか、

ゴルゴンゾーラってチーズだっけ?・・とか、

イタリアンに慣れてない会話をしつつのわがままオーダーを聞かされると

なんだかそれだけで離席したくなってきた。

 

だが、初志貫徹!

今日はマルゲリータ・ブッファラとポモドーロを食べに来たのだ!

 

ちなみに、玉子の加熱状態の問題からテイクアウトできないピッツァなので、

食べたかったら店で食べるしか無い困ったヤツ。

 

もちろん、考えたよ?

先にポモドーロを食べて、2枚にいける自信が無かったら

マルゲリータ・ブッファラをテイクアウトってやり方も。

 

でもね、定番中の定番なマルゲリータは先に味わいたかった。

それと、テイクアウトだとやっぱり味が落ちるから、

もう腹をくくってオーダーした・・・と。

 

 

 

 

あ〜〜

以前と変わらぬ姿!

 

なんか濃厚な味わいで、

食べてる最中に「食べ過ぎサイン」が点灯した。

 

ちなみに皆さん、ピッツァを食べる時は手で食べる派?

それともナイフ&フォークで食べる派?

 

自分は、いつのまにかナイフ&フォークで食べる派となりました。

 

何故ならナポリピッツァは台の部分が薄く、

コルニチョーネを持つとデロン・・と垂れてトッピングが落ちるので、

仕方無くコルニチョーネを追って台でトッピングをサンドする様な形にして

食べるのだけど、台が薄く柔らかいとそれでもデロッと垂れたりするから。

 

シシリヤは6等分に切れ目を入れてくれるけど、

そんなピースをさらに半分くらいに切って、

台を具材をと一緒にクルクルとコルニチョーネ方向へ巻いて

コルニチョーネと一緒にフォークで食べると手も汚れず

渾然一体な美味しさが味わえるからだ。

 

アメリカのピザや宅配ピザのように台がしっかりしてるなら

手で1ピース取って食べる方が楽だけど、

ナポリピッツァに唐辛子オイルとかをかけて食べる場合は、

慣れたらナイフ&フォークの方が楽しめると思うんだよね。

 

 

それにしても、隣のカップルがウザい。

しかも肩が触れそうな狭さに、イライラもしてきた。

 

美味しいけどこの狭さは、美味しい物を食べる環境とは言えないかも。

狭いオープンキッチン内にはマスターを含めて5人もいて、

その狭さを見ているのも落ち着かない。

 

まぁ、ピッツェリアだから、

サラッと来てマリナーラとかをメニューも見ずにオーダーして

ワイン1杯と焼き立てピッツァを食べたら即退店!

って使い方が良いのだろうね。

 

ごちそうさまでした。