最近は小規模企業も「M&A」を
積極的に取り入れてきています。
M&Aと比較して対照的な言葉に「居抜き譲渡」があります。
不動産会社も、これまで
「居抜き譲渡」
(地方で呼び名が異なるかもしれませんが、店舗の設備譲渡のことです。)
で媒介していた物件でも、よくM&Aと称して媒介しています。
それについて、
一言・・・・・
「居抜き物件の譲渡」と「M&A」は、
よく似ていて、ほぼ同じですが、全く違います。
両者には媒介責任保護の根拠法令の有無があるのです。
「居ぬき譲渡」
不動産賃借権(所有権)を差し替えて、設備(動産物)を譲渡する事だけです。
「M&A」
営業権(人材・看板・ノウハウ等の包括的に営業に関する権利一式)や
株式譲渡(包括的に会社の所有者たる権利の、株式を譲渡するもの。株式交換・合併・・・・・)
の根本的な差異があります。
M&Aを媒介する事は媒介業者は、
実質問題では「ある意味」のリスクを背負います。
未だ、創生期にあるM&A業界は立法された根拠の下で
M&A業を行っているわけではありません。
本来居抜き譲渡であればその媒介基準は宅地建物取引業であり、
造作物譲渡料(いわゆる居抜き料)
の媒介は慣例的な基準で行います。
責任回避手段は契約時の重要事項説明書に記載されて保全されますので
宅建業法の保護があるとも言えます。
しかし、
M&Aという言葉が流通し始めた昨今
規制する法律が未だ存在しません。
小規模のM&Aであれば、
基本的には営業権譲渡契約が必要なことになります。
(小規模の店舗や会社の媒介で株式譲渡方式による場合は、
簿外債務の問題や税金、顧客リーシング等々様々な問題が懸念
されますので、はっきり言ってお勧めできません。
株式譲渡は店舗等会社が属する全ての問題を承継する可能性が
高いのです。
営業権譲渡であればその営業に関する部分のみ承継しますので、
買収対象会社全体の問題を承継する事はありません。)
これは営業権譲渡は会社の財産権を譲渡・譲受するものなので、
双方の株主総会で承認する商法に従った決議が必要になります。
媒介内容によっては、
その都度、オーダーメードで契約書式内容を決定したり
必要書類が変わってきたりします。
また、
営業権譲渡媒介は遵守法令が未だ存在しません。
媒介手数料規定も無く「言い値」の部分も強いですし、
媒介金額の妥当性を諮る基準も、
売上等々を基準に会計士査定により決定することが多いのが実情です。
営業権媒介に関しては、
媒介業者以外に弁護士の介入により契約がなければ、
アフターM&A時において
「係争事」になる可能性が、かなり高くなります。
(実際、私も何度も経験しました。)
一方、実際のところで居抜き譲渡であれば、
明確な査定基準も無く(設備業者査定が主)、
当事者の希望金額のみが基準になります。
よって、売買金額等々で不安定な面が強いのが難点です。
営業権譲渡は、
債権的
(営業収支・看板・人材・ノウハウ・・・・・・)な包括的譲渡であり、
実際上の居抜き譲渡は、
形成的
(設備・備品・動産・賃借権差し替え又は所有権の移転)
な物権的な面が多い譲渡、
と両者の相違がハッキリしています。
また、両者では
媒介根拠法令の有無も明確です。
M&A媒介は規制や保護法令も無い故に、
儲ける可能性が高く新規参入が
「これから」という「創世期」にある状況ですので、
ビジネスモデルとして大変面白いんですが
明確な違いを理解して媒介業を進めていかないと
「おおごと」 になります。