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余命宣告 第33話 覚醒!モリチン
手術の闇から覚醒し、
久々の夫婦の談笑もつかの間
私の頭には
とんでもない激痛が走った。
頭にはドレインという「管」が
刺さっているので頭自体は動かせない。
体も満足に動かないので
痛みでのた打ち回る事も出来ない。
しかし、発狂しそうな痛みが私の頭に走る。
看護師を呼ぶ妻。
駆けつけた看護師は
「麻酔が切れたんですよ。今夜一晩は我慢してください。」
痛み止めを飲むが、
何の役にも立たない。
繰り返し、服薬すれど
痛みは治まらない。
淡々と、我慢を進める看護師が
これ程憎たらしく思えたことは無かった。
「頭がかち割れるほど痛い」
痛みの表現として良く使われる言葉であるが、
本当に頭が割れている痛みとは
これ程のモノなのか・・・・・
手術前に卒倒した時の痛みの
はるかに上を行く痛みだ。
結局、この日の夜は
激痛で一睡も出来なかった。
朝・・・・・・・・
看護師が6時頃やってきた。
痛みも少しは治まり、
朝日の光がすがすがしく思えた。
「起きてください! 朝ごはん食べてください!」
そういって私の布団をめくる看護師。
「はぁ?」
動けるはず無いじゃない。
そんな疑問が駆け巡った。
看護師は
「モリチンさんはもう病人じゃないんだから動いて、
ご飯食べて元気にならんと!」
尿道には管がつながり、お小水はバケツへ膀胱から垂れ流し、
頭にはドレインが繋がっており、
両手は点滴。
そんな体で動けるはずは無い・・・
しかし、看護師は
お構い無しに、私の陰茎を掴み上げ
尿管の中から伸びる管を
無造作に引き抜いた。
「うがっ」
陰部に激痛が走る。
「さぁ、歩いてください。」
看護師は無理やり私をベッドから起こし、
トイレへ連れて行こうとする。
「脳開頭の患者さんは容態が安定していれば
翌日から歩くんですよ。
逆にお腹や胸を手術した患者さんはそうは行きませんがね。笑」
意外な、雑学だった。
頭を開けてすぐに動けるとは
思いもしていなかった。
「先日から断食してもらっていたから、
今朝はお粥になりますけど、きちんと食べてください。」
看護師のズケズケと頭に響く、
しかし、明るく自信に満ちた言葉で
「私の病状は本当に回復したのかも知れない。」
そんな安堵感が生まれてきた。
しかし、両手に点滴で管だらけの体は動きにくい。
廊下を歩いてもまっすぐ歩く事はできず、
壁にもたれながらトイレへ・・・・
陰茎から小水が流れる瞬間
私の尿道にまた激痛が・・・
手術中でも人間は「おしっこ」をするので、
陰茎に管を通している。
装着時は麻酔で気づかないが
健常時に管を取るということは
尿道がはれていて、それで染み入るのだろう。
よれよれで、病室へ戻り朝食を食べていると
妻がやってきた。
私の回復振りに妻も喜びを隠さなかった。
ここまで、回復できた私を喜んでくれた。
妻は私の携帯をこの数週間
ずっと持ち歩いていた。
メールで色んな人から
生還した事への激励の言葉が
届いていた。
しかし、そんな中、
私を「憤怒の底」へ叩き落すような、
死神との戦いから生き残った意味すら、
無意味化していまう
悲しい言葉が私の目に映っていた。