長かった・・・・・


7月16日も


終わろうとしている。



妻はもう寝室で休んでいる。


私は1人グラスを傾けながら飲んでいた。



本当に長い長い1日だった。


まさか、こんな事になろうとは


死の宣告


そして・・・・従業員達の翻意、


・・・・・・・・・・



腹が立って眠れない夜になった。



従業員達のほとんどは


元は知人・友人・後輩。



このミーティングに呼んだ


名前ばかりの取締役達。



そして、当社の顧問団。



全ての参加者が身内の仲間達。



私は妻を一旦自宅へ返した。



全員から、


私は氷結の目で見られていた。


 商法第535条匿名組合の解散


 怖い人達との戦いの日々


 そして、被ってしまった数千万円にも及ぶ膨大な個人負債。



死を目前にした体になった事で


いささか、同情の目があっても


彼らの目は私をいかにして社長の座から


引き摺り下ろして


どう責任を追及していくか・・・・・・


それだけであった。



 「こいつらを一体どうするつもりなん?」



名ばかりの役員達からの罵声、



 「お前に関係あるかよ・・・」



確かに経営責任は私にある・・・・・


しかし、こんな滅茶苦茶な店舗にしてしまった経営責任は


お前らには無いのか?


私は役員も含め一円たりとも金を出させた事があったか?


支払を渋った事があったか?



ギリギリの時まで、


今の状況を説明せず


1人で被ろうとしていた


私の責任は重大だ。


(今思えば私のこの性格が一番問題なんだが・・・・)



 「本当はお前達と話している余裕なんか、

  

   今の俺には無いんだよ・・・・・・・そっとしといてくれ」


そんな、自分本位のワガママさが芽生えてくる。



顧問団の1人が私にこういった。



 「俺はいつもお前には


  反対意見を言う立場で無いといけない。


   だから俺は料理長寄りだ。」



こいつの言う、意味がわからん。


俺に喧嘩売ってんのか?


今後、この会社をどうしよう?


の会議じゃない。


俺を吊るしあげるだけの飲み会だ。



このメンバーの中には明らかに


私の余命宣告を聞いて


半分面白がっている者さえいた。



私は心のどこかで、同情を欲しがっていた。


 

 「どんな気持ちで、これまで従業員達に不安を持たせず


   1人で会社を守ってきたか・・・・・・少しは理解してくれよ」


どんどん、私の気持ちも病んできた。



 「こんな時まで、こんな時まで、俺を追い込むのか?」


自分の責任より他人を恨む気持ちが芽吹いてきた。


私の気持ちも限界に達していた。



 

 「話にならん。また、今度話そう。」


私はこの場を後にした。



しかし、


私はそれだけの過ちを犯したのだろう。


死を宣告されても、


この様な問題だけは整理して


死んでいけなくてはならない。



  「今に見ておけ・・・・・必ず生き返って


    どでかい会社をもう一度つくって


     見返してやる」


もう私の心は「死」を前提とせず


復讐にも似た気持ちが芽生えていた。



「人生、どん底からが勝負時」


私の座右の銘が、心の中で沸き起こってきた。


私の顔は笑っていたはずである。