こんにちは!びわおちゃんブログ&アニオタWorld!へようこそ。
降りしきる雨が、世界の音を奪っていくような静かな夜。皆様、いかがお過ごしでしょうか。前回の第19話「流転」で、私たちは息を呑むような光景を目の当たりにしました。愛する娘・野茉莉の前で、人ならざる者としての正体を晒してしまった甚夜。彼の築き上げた束の間の平穏が、ガラスのように砕け散った瞬間でした。
絶望の淵に立たされた彼を、一体何が待っているのか。固唾をのんで見守った今回の第20話「願い(前編)」は、私たちの予想を遥かに超える、魂の深淵に触れるようなエピソードでした。
テーマは、そのものずばり「願い」。しかし、それは決して華やかなものではありません。雨の夜、静かに絞り出されたのは、20年以上もの間、甚夜が心の奥底にしまい込んできた罪と罰、そして「生き方を間違えていた」という痛切な告白でした。
ですが、物語は彼をただ断罪はしない。その間違いだらけの生き様を、ただ静かに、温かく肯定する光がありました。今回は、この深く、切なく、そしてどこまでも優しい物語について、皆様と一緒に心を重ね、語り尽くしていきたいと思います。
目次
- 第20話あらすじ解説:雨夜の告白と、間違いが作った景色
- 第20話 徹底解説:交錯する「願い」と魂の行方
- 総括と次回への期待 – 「願い」は誰の手に
- 『鬼人幻燈抄』の世界を深く味わう!待望の新刊&Blu-ray BOX発売
第20話「願い(前編)」は、絶望の闇の中に、確かな希望の光が灯った、物語の大きな転換点でした。おふうの優しさ、直次の友情、そして野茉莉の愛情。甚夜が「間違い」と断じてきた生き方が、結果としてこんなにも温かい「景色」を作り出していた。この事実は、彼の孤独な旅に、新たな意味を与えてくれるに違いありません。
しかし、戦いはまだ始まったばかり。そして、タイトルが示す通り、これはまだ「前編」に過ぎません。
次回への最大の謎は、エンディングで描かれた土浦の過去です。
彼が「関白秀吉が亡くなった」と語る場面。これは慶長3年(1598年)の出来事です。甚夜が彼と戦っているのは幕末、1850年代。つまり、土浦は少なくとも250年以上を生きる、大鬼であることが判明しました。
彼が語る「大きな戦い」とは、間違いなく2年後に起こる関ヶ原の戦いを指しているでしょう。そして、彼が話しかけていた、あの物憂げな表情の女性は一体誰なのか。彼女の「願い」とは何だったのか。

次回、「願い(後編)」では、この土浦の悲しく壮絶な過去が明かされるのではないでしょうか。そして、彼の「願い」と、おふうや直次の言葉によって新たな「願い」を見出しかけている甚夜の「願い」が、京の都で激しく交錯することになるはずです。
誰の、どんな「願い」が、この動乱の時代を動かしていくのか。息を詰めて、次週を待ちたいと思います。