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降りしきる雨が、世界の音を奪っていくような静かな夜。皆様、いかがお過ごしでしょうか。前回の第19話「流転」で、私たちは息を呑むような光景を目の当たりにしました。愛する娘・野茉莉の前で、人ならざる者としての正体を晒してしまった甚夜。彼の築き上げた束の間の平穏が、ガラスのように砕け散った瞬間でした。

絶望の淵に立たされた彼を、一体何が待っているのか。固唾をのんで見守った今回の第20話「願い(前編)」は、私たちの予想を遥かに超える、魂の深淵に触れるようなエピソードでした。

テーマは、そのものずばり「願い」。しかし、それは決して華やかなものではありません。雨の夜、静かに絞り出されたのは、20年以上もの間、甚夜が心の奥底にしまい込んできた罪と罰、そして「生き方を間違えていた」という痛切な告白でした。

ですが、物語は彼をただ断罪はしない。その間違いだらけの生き様を、ただ静かに、温かく肯定する光がありました。今回は、この深く、切なく、そしてどこまでも優しい物語について、皆様と一緒に心を重ね、語り尽くしていきたいと思います。

 

目次

  1. 第20話あらすじ解説:雨夜の告白と、間違いが作った景色
    1. 蠢く陰謀と孤独な鬼の追憶
    2. 魂の告白 – 20年以上封印された罪と罰
    3. 間違いが生んだ奇跡 – 友と娘が紡ぐ絆
    4. 決戦、そして恐るべき『同化』という名の選択
  2. 第20話 徹底解説:交錯する「願い」と魂の行方
    1. 闇の糸を手繰る – 畠山泰秀と鈴音の不気味な繋がり
    2. 「必要だったからだ」– 康秀が土浦に鬼の姿を晒させた真意
    3. 忠誠という名の呪縛 – なぜ土浦は非情な主に仕えるのか
    4. リンドウに託された悲しみ – 花言葉が語る土浦の魂
    5. 「最悪の結末」と「生き方の間違い」– 甚夜、魂の慟哭
    6. 間違いを肯定する愛 – 甚夜とおふう、魂の交感
  3. 総括と次回への期待 – 「願い」は誰の手に
  4. 『鬼人幻燈抄』の世界を深く味わう!待望の新刊&Blu-ray BOX発売
    1. 【コミックス最新刊】鬼人幻燈抄 第9巻
    2. 【原作小説最新刊】鬼人幻燈抄 文庫版 第10巻『大正編 夏雲の唄』
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第20話「願い(前編)」は、絶望の闇の中に、確かな希望の光が灯った、物語の大きな転換点でした。おふうの優しさ、直次の友情、そして野茉莉の愛情。甚夜が「間違い」と断じてきた生き方が、結果としてこんなにも温かい「景色」を作り出していた。この事実は、彼の孤独な旅に、新たな意味を与えてくれるに違いありません。

しかし、戦いはまだ始まったばかり。そして、タイトルが示す通り、これはまだ「前編」に過ぎません。

次回への最大の謎は、エンディングで描かれた土浦の過去です。
彼が「関白秀吉が亡くなった」と語る場面。これは慶長3年(1598年)の出来事です。甚夜が彼と戦っているのは幕末、1850年代。つまり、土浦は少なくとも250年以上を生きる、大鬼であることが判明しました。

彼が語る「大きな戦い」とは、間違いなく2年後に起こる関ヶ原の戦いを指しているでしょう。そして、彼が話しかけていた、あの物憂げな表情の女性は一体誰なのか。彼女の「願い」とは何だったのか。

次回、「願い(後編)」では、この土浦の悲しく壮絶な過去が明かされるのではないでしょうか。そして、彼の「願い」と、おふうや直次の言葉によって新たな「願い」を見出しかけている甚夜の「願い」が、京の都で激しく交錯することになるはずです。

誰の、どんな「願い」が、この動乱の時代を動かしていくのか。息を詰めて、次週を待ちたいと思います。