パルナコルタ王国での生活に、メイド兼護衛のリーナや執事レオナルドの献身的な支えもあり、少しずつ馴染み始めていたフィリア。相変わらず聖女としての務めに邁進する日々ですが、その表情には以前にはなかった柔らかさが垣間見えるようになっていました。
そんなある日、お務めが早く終わったフィリアは、リーナの計らいでオスヴァルト王子と街へ出かけることに。それはフィリアにとって、生まれて初めての「デート」とも呼べる時間でした。オスヴァルトや街の人々との触れ合いの中で、フィリアはこれまで知らなかった温かな感情、そして自分の中に眠っていた人間らしい一面に気づき始めます。
しかし、穏やかな時間だけではありませんでした。魔界が地上に接近しつつあるという、王国全体を揺るがす危機が報告されます。フィリアは国民を守るため、強大な「大破邪魔法陣」を展開することを決意しますが、それは同時に、彼女自身が前線で戦う道を閉ざすことにも繋がる苦渋の選択でした。
一方、故郷ジルトニア王国では、妹のミアが第二王子ユリウスに呼び出され、突然の求婚を受けます。姉の不可解な出国に疑念を抱いていたミアは、これを機に真相を探ろうとしますが、その過程で両親とユリウスによる恐るべき裏切りを知ってしまうのでした。
第3話で最も印象的だったのは、フィリアに見られた顕著な変化です。2話までに見られた変化の兆しは、この回でより確かな形となって現れました。
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