正直に告白しますと、アニメ『一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる』(通称『闇ヒーラー』)の第1話を観た当初、いい印象はありませんでした。
主人公ゼノスの周りには、早くも魅力的ながら人ならざる女性たちが集まり始めていました。治療院の助手となるエルフの少女リリ、治療院の建物(元は彼女の屋敷)に住み着くレイス(アンデッド)のカーミラ、そしてドワーフのゾフィア、獣人のリンガとレーヴェといった具合です。これらのキャラクター設定を見て、「これは最近よくある、追放された主人公が人外の女の子たちに囲まれる、いわゆるハーレムものなのかな?」と、少し穿った見方をしてしまったのです。
さらに1話では、ゼノスが街で虐げられていた猫獣人の奴隷少女ティルを買い取り、見事に治療して解放するというエピソードが描かれます。これも素晴らしい行動なのですが、「なるほど、こうやって助けた女の子が次々と主人公に懐いていく展開か…」と、まだ少し斜に構えて見ていた自分がいました。
ところが、第2話を観て私の考えは大きく変わりました。2話では、ゼノスが瀕死の状態だったエルフの少女リリを助け、彼女が助手として一緒に治療院で働くことになる経緯が描かれます(※注:1話で出会い、2話で関係性が深まるという流れが一般的ですが、ここでは僕の視聴体験に基づき記述します)。
そして、なぜリリやカーミラといった人外の女性たちがゼノスの元に集まってくるのか、その理由が見えてきたのです。彼女たちは、単にゼノスに助けられたからというだけでなく、彼の持つ規格外の治癒能力、ライセンスがなくても患者を救おうとする強い信念、そして貧しい者や虐げられている者にも分け隔てなく接する優しさに惹かれているのではないでしょうか。特にゼノスの治療は、見た目には一瞬で終わってしまうため、周囲からは「何もしていない」と誤解されがちですが、その効果は絶大です。彼女たちは、その真価を理解している数少ない存在なのかもしれません。
これに気づいた時、「ああ、これは安直なハーレムものではない。もっと深いテーマを持った作品なんだ!」と、自分の浅はかさを反省するとともに、作品への期待が一気に高まりました。
目次
- アニメ【闇ヒーラー】徹底解説!原作からアニメ化までの軌跡
- マカリアは『ざつ旅-That's Journey-』と同時期制作で大丈夫?
- 最初は誤解していた?『闇ヒーラー』の本当の魅力
- 『闇ヒーラー』が問いかけるテーマとは?
- 『闇ヒーラー』キャラクター紹介
- 『闇ヒーラー』関連商品の紹介
- VODの紹介