ヴァルトにとって最も重要な理由は、愛する少女ミラリスを救うことです。ミラリスは「歴史の行き止まりとして魂を解体されてしまう運命」から救われる必要があります。ヴァルトにとってミラリスは全てであり、彼女を救うためには手段を選ばない強い決意を持っています。
23話のラストでヴァルトがティナーシャに「僕の真の目的はエルテリアの破壊だ」と告げた場面は、まさに衝撃の一言でした。この言葉の背後には、ヴァルトが幾度となく繰り返してきた生の中で、愛するミラリスを失い続けたという悲しい過去が存在します。彼は過去を変えたいと願い、そのためにエルテリアの力が必要だと考えたのです。
ヴァルトはファルサスの魔法士長として、オスカーやティナーシャからも信頼されていましたが、その心の奥底には、ミラリスを救いたいという強い思いが秘められていました。大国タァイーリの襲撃によってミラリスを失ったヴァルトにとって、エルテリアは過去を改変し、彼女を救うための唯一の希望だったのです。
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