ダブルラインユニノットとダブルユニノット【強いとは何か】 | 「ショアラインの遊牧民」moa。

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『Lake Biwa Bass & Eccentric Hunter moa's Story』@ National highway「R1⑥1」
A black bass is fished from the shore in Lake Biwa like nomade.
「夢の60」って忘れ物をみつけ、北湖西岸を中心に様々な釣りに出掛けます。

「ワダノット」は、ブログアクセスを拝見すると随分と注目が集まっていた様ですね。
そこで、紹介しただけで終わっていましたのでノットについて考えてみたいと思います。
前に書いた様に、ワダノットは自分も何度もやってみました。二度アイをくぐらせたラインが締め込み時のラインの並び方と、擦り込む力加減にコツが要りますね。

アイに回っている二本のラインが擦れ過ぎることも、やり方に注意が必要になる一つの要因になっているなという感想です。

何れにしても、結束はルアーアングラーの永遠のテーマかなと感じるところです。

梅雨の夜長?にマニア向けに面倒臭くノットの話をしてみよう

ワタシも、スナップとの結束方法を聞かれる事が度々あります。
この分野は「諸説あり」のうえに、ちょっとしたラインの扱いで自分がやるのと、説明を聞いた人とでは全く同じにならなかったりする世界ですよね…
なので安易に推奨はしないのです。

ただ、いま自分使っているノットにしてから、サカナに切られた事が一度もないという事実のみをワタシが体験しているというだけのことです。
そもそも自分のラインに関しては、オーバーパワーを使うことを良しとしている素地の上での話ですが、

自分の採用している方法を書いてみたいと思います。

最強はどれだ、なんて、機械を使ったテストも、引っ張りっこする調査も…様々やり倒されてますが、
どれもファイト中の条件下のブレイクとは違う様にも思いますし、100%ノットならライン痛み箇所で切れてしまう。それが良いのかどうかも、また別問題
20m出たところで、バックラッシュを直した際のちょっとしたキンクがあれば、確実にそこで切れてしまうのだろうかと。
そういう悩みが出てくる側面だってありますよね。

【ノットプラクティスのすすめ】
お勧めという点では、それぞれ自分のスタイルに近い人の実釣経験から出された「使ってはるノット」を試すのが良いかなと思います。


自分の場合、散々色々とやってきた結果、若い頃から長年使った「最強ノット」(90年代に雑誌の企画「ノットプラクティスのすすめ」で今江さんが紹介されたもの)に落ち着いていましたが、
2013年秋からもう一度ノットについて考えまくって(遊びたおして)から定着しているのは、
「ダブルワンユニノット」「ダブルDEユニノット」「二重ユニノット」「ダブルラインユニノット」↓
二重のラインが見えやすかった16ポンドナイロンの、バーサタイルデザインで撮影しています。

「ダブルラインユニノット」とまぁ、こんな表現になるだろうノットです。

要するに、「二重にしたライン」で、「普通のユニノット」をする。簡単…なんだそんな事か…
なんですけど、これが実に良い。

結びを作る際に、ラインの動きに捻れを起こさない様にさえすれば
全くラインを痛めずに、しかも余り糸に出来る輪っかに指を掛けてコントロールが出来て
手元だけを使って、きっちりと締め込み作業ができる。
出来あがれば2本のラインが締め込み部分をホールドして強い。
そして、失敗が起こりにくい。

締めた後にノットの上が、豚の尻尾の様な方向に擦れ癖がつくのはお勧めしません。

このノットは、残ったメインラインに続く一本以外も、引っ張り強度に対して働いているのか、
単純に綺麗に並ぶあまり糸が、バネの様に並んで緩衝している。
結束箇所の金属を掴む2本のラインも、締め込まれる力に対して、最終的に主な働きをするメインラインと並ぶもう1本が緩衝している
締まり過ぎによる系切れを起こす前に、もう一段切れない使用感を感じています。

簡単なうえに、ラインを痛める事もなく、引っ張り強度を補助しながら、ショックアブソーバーを持つ様な
その事で、本来のライン強度が発揮されている。
【と、思っています!】
ドヤ知らんけど(笑)

二点の混乱を整理する
ここで整理しておきますが、若干混乱するのは「ダブルユニノット」っていうのは、大昔から各所で紹介されていまして
それはこの、二重にしたラインでユニノットする方法ではなかったのですよね。

従来の「ダブルユニノット」は、リング・スナップ・スイベルなどに、1本のラインを二度くぐらせたうえでユニットを結ぶ場合と
1本のラインを2回くぐらせた2回目をリングまで絞り込まずにそこに出来た輪っかに対してユニットする方法。
(ワダノットと同じく擦れ締め込みのコントロールにコツが要るノットです)
ワタシの記憶では、この違う二種類に対して「ダブルユニノット」という表現が昔からあったのですよね。

ところが二重のラインでユニノットすると、性質がまったく違うのですよ。
なので「ダブルワンユニノット」「ダブルラインユニノット」と、この様にして伝承されるのが正しいと思います。

この二重にしたラインで普通のユニノットをする方法を既に長く使っていますが、インターネットで最初にワタシが見かけたのは2018年に亡くなってしまわれた本山博之さんで、そこではダブルユニノットと紹介されました。
YouTubeで検索するとこれが出てきます。
https://youtu.be/wBj-WB_aONM

 

VARIVAS TV 「ダブルユニノット」本山 博之バリバスフィールドテスター本山博之が長年の経験から生み出したノットをご紹介いたします。 出演者:本山 博之リンクYouTube 

 2014年公開

リンク先の動画の、4:45あたりから結び方についての参考になると思います。

「合わせ切れが一度もない」とおっしゃる様子がありますが、一般アングラーと「合わせを入れた数」が圧倒的に違いますからね。

前半の引っ張りっこは、一本よりダブルラインが勝るということですが、かつて他の結びとダブルラインユニノットで試しましたが、やはり強かったですよ。


ワタシは太いラインは3回くぐらせ、細いラインは3〜4回くぐらせています。

超簡単なのに強い


自分の場合は、コツとして

締め込む際に輪っかになったあまり糸にも指をかけて整えて、結び目をアイに強くあてていきます。

その後にこのノットについて見かけたのが、どこだかのフィッシングショーのバスプロ二人によるトークライブ(誰だったか忘れてしまいました)の動画で、自分の使っているノットを紹介している様子でした。

この人たちも、一緒だなぁと思ったのでそれだけを覚えています。

そんなこんなで、ヘンコなワタシは
自分のやってるこのノットをダブルユニノットとは違う。と言う訳であります。(笑)
でも、「どっちゃでもエエねんけど」と付け足す訳です。
ほぼ精神分裂ですな。。。

このノットの良いのは
①失敗が起こりにくい
②締め込み過程でラインが痛まない
③手元だけで出来る(ラインを噛む事もない)ために暗所にも向く(歯が全部無くなっても釣りできる)
④効果的なライン経の幅がとても広い

マイナス点は
・頭のテッペンに毛が三本
・余りラインのゴミが二本
・簡単過ぎて強いので脳が固着気味

ダブルラインユニノットのことを「本山式ダブルユニノット」って呼ぶのなら、偏屈者の俺だって受け入れるよ。
いやむしろ、何か嬉しい
リスペクトを込めてアリかと。
本山さんは本当に凄いと、動画などを拝見しても何度も感じます。
様々に言い伝えきれずに急逝されたことと思い、『おそらくこうだ』とつかまれていたであろう魚釣りの解明があったはずで、残念でなりません。

ということで、物凄い単純でありながら切れない抜けない「ワタシのやってるノット」:「ダブルラインにしてからするユニノット」のお話を、書いておきたかったのでした。

そんなことで、フェチの領域にある人でないと興味もないかなと、画像などの配慮が極めて少ない
文字だらけのブログ記事になるのですが。

前に出てきた、本山さんのYouTube(バリバスTV)にて確認していただきたいなと願うものです。

ちょっとこの写真をご覧ください。

これは、ラインを15mほど出した状態で服の上から腕にラインを、巻きつけてじわーっと引っ張っていって
「切った」際のノット部分です。
スナップに二本掛かっている内の一本が切れています。
ワタシは、これを良しとします。

ノットで切れるのが乙か
話を最初に戻しますが、「100%ノット」というのは、ノットではなくてラインの途中から切れるという理屈。ノットで切れるとラインの100%強度が出ていないという訳です。ラインが切れる前にノットで切れるとライン強度が100%で出ていないと。

さて、ワタシたちが実釣時に求めているものはどうか?
この件はイベントとしては良い取り組みですが、何処かおかしいと感じませんか?
このノットで魚に切られてないと言いましたが50〜60UPのバスでいえば、14ポンド〜20ポンドナイロン。
例えば先の写真の切ったノット写真は、20ポンドナイロンです。20ポンドといえば9kg強ですが、これを切るためには巻き付けた腕が締め付けられて切断しやしないかとヒヤヒヤするという気分になる程。つまり伸びも限界点に到達するまで、9キロ程度では切れません。
鉄アレー10kgをラインで腕に巻きつけて持ち上げる力など、優に超えているのです。

つまりは、強いラインを使って、ライン伸び・ロッド曲がり・ドラグなどの逃げも使いながら切られない事を目指している訳ですが、
どうしようもなく切る時には、せめてノットで切れて欲しいという発想の方が実践的な必要性だと考えることもできるのです。
ひっぱり強度を超えてその領域の先の話しは、ノットではなくラインの途中で切れる方が有能なノットだとは限らない。

12ポンドナイロンラインが、12ポンドを少し超えた力を加えられた際に、ラインの途中から切れることなど釣り人は目的としていない。
釣り人が目指すのは、12ポンドナイロンラインが12ポンドを超えた力でもまだ切れずに力を発揮して、どうしても切る際にはノット部分で切れることを目指すという考えはあり得るのではないかというお話。

前述のイベントでは、一つ同じ基準をもって遊んでみよう。興味を持とう。という意味で良い取り組みなのでしょう。
しかし、実践でノットに求めるものは非常に多面的な評価が必要になるかと思います。
柔よく剛を制す
強+強+強+強=弱
強+逃+強+逃=柔

それぞれが、各々のスタイルや環境のなかで選択されるノットに関して、「これだ!100%だ!」という事で果たしてそれが自分にとって有用かな。その様な問題提起として書いてみました。

本山さんへの尊敬・リスペクト。そして、ご冥福をお祈りして。