恩田陸さんの「スキマワラシ」を読み終わりました。座敷わらしではないけど、この世のどこかに不思議なものがあって、それに気づいても気づかなくても、みんな見てるんじゃないかなと思いました。

自分でも知らないうちに過去に戻って、何事もなかったようにまた現在地にいたりしてね。

 

主人公の散多(さんた)には古道具屋を営む兄の太郎がいて、彼はその手伝いをしています。2人で仕事のためにあちこちを車で移動することも多いです。

散多には、物に触るとそれにまつわる何かが見える、という力があり、そのために苦労しています。

それを知っているのは兄の太郎だけで、太郎も抜群の記憶力があるのでした。

 

ある日古いタイルから衝撃を受けた散多は、兄と共にその謎を解くことにします。亡くなった両親にまつわることや、廃ビルに現れるという謎の少女も出てきます。

 

貞子みたいな怖い話ではないけど、もし向かってこられたらゾッとするかな。不思議だけど身近な話という感じで、懐かしさもあります。

 

兄弟の苗字は纐纈(こうけつ)で、兄の纐纈太郎は他の短編シリーズの登場人物だそうです。