遭難しそうな雪の帰路① | 日々有り事、映ろい事

日々有り事、映ろい事

元凡人ハンターの日常

2018年1月22日

関東一円数年ぶりの大雪に見舞われれる

 

太陽のない夜間から夜明け前に降る雪は溶けにくく積もりやすいものだが

今回は昼間明るくなってから降り出し

本来最高気温になるはずの時間帯に積もった

冬期の曇天日には風で冷え込み

朝よりも昼間の方が気温が下がることはあるが

今季は年末から寒気が強かった影響もあったのかもしれない

 

幸いなことに「大雪に警戒」の報が事前に出ていたため

事前に上と相談出来た

午後イチの仕事を終えたら早退出来るとのこと

午前からパラついていたものの正午現在まだ濡れた路面に積もる気配もない

通常の最高気温時間から考えて三時くらいまでなら問題ないだろう

と承知したのだが

 

甘かった

一時前後にバースから覗いた時

舗装路以外うっすら白色くらいの地面が

冷凍庫からの荷出しを終える頃には全面白色に光っていた

「こりゃマズイ」

アワ食って作業を始めるもこんな時に限ってオマケが来るもの

賞味期限を間違える、追加注文は入る

冷凍庫への再出入りだけで10分はロス

 

更に「明日出勤できる?」と、上から相談来た

そりゃ本来出勤だけど、予測不能だよ

何ともならない状況、なんとかしたいとの要請

戦力として買ってくれているのは嬉しいがリスキーに過ぎる

結局十数分仮問答して「明日連絡しよう」となる

仕事をまとめて職場を出たのは三時前

防寒着の上にレインスーツを纏い轍さえ白い路面に二輪で乗り出す

 

だが、「ん!?以外に漕げる…」

数年前にも雪降る道を帰ったことがあったがその時は踏み固まった雪に舵を取られてかなり不安定だった

それが今回車道の轍をたどっているとは言え以外に引っかからない

「これは行ける!積もらないうちに急ごう」と

ギアを上げて漕ぎ出した

スピードが上がる分雪片が顔に飛び込んでくる

いつの間にか帽子を目深に被り庇の下の視線は極近くなっていたらしい

 

いつもは仄暗い林道が枝にかぶった雪の反射か「やけに明るいな」と

思いつつ進む鼻先

突然目の前に煌々と光るテールランプ

「ぅオゥッッ!!」

思わず急ブレーキした途端景色が滑る

軽い衝撃の後気付いたら

真上に乗用車、自転車の後部は後輪のすぐ後ろ、潜り込むような体勢で横たわっていた