コラムニストの尾藤克之です。
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「お金がなかなかたまらない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。今回は、投資家の富雄美智(とみお・みち)さんが執筆した「ズボラな僕でもお金が貯まるようになりますか?」(飛鳥新社)を紹介します。お金に対する考え方が変わる一冊です。
【「消費」「浪費」「投資」の違いとは?】お金が増える? 「ズボラな僕でもお金が貯まるようになりますか?」に、お金と向き合うヒントが!
■「消費」「浪費」「投資」の違いを意識
本書では、貯金ゼロの「井上拓実(井上くん)」とお金に詳しい「上田亮(上田先輩)」という2人のイケメンのキャラクターが登場し、彼らの会話を通じてお金のことをイチから学ぶことができます。
例えば、上田先輩は、多くの人がやりがちな家計簿の管理をやめ、コーヒー代や酒代などの細かい支出は無視しても構わないと説いています。家計簿はつけ忘れてしまうことが多く、その結果、家計簿を管理できない自分を責めてしまい、貯金へのモチベーションが低下するからです。また、家計簿をつけることが目的化してしまう可能性もあります。その代わり、携帯電話料金や保険料などの「大きな支出」を見直すべきだと強調しています。
また、彼は、お金の使い方は「消費」「浪費」「投資」の3つで成り立っているとし、食費や家賃、光熱費など、日々の生活に必要な物やサービスに使うお金は消費、惰性で何となく使っているお金は浪費、将来のお金を生み出すためにお金を使うことを投資だと解説しています。お金の使い方に迷ったときは、この3つの違いを意識すると、お金に対する向き合い方が変わるということです。
ところで、著者の富雄さんは、なぜお金に興味を持ったのでしょうか。本書で次のように説明しています。
「私が『お金のこと』を知りたいと思ったのは、ある話を聞いたことがきっかけでした。それは、退職して50年で20億円の資産を築き、全資産を寄付した女性の話です。彼女は1893年ニューヨーク生まれ、50歳で退職した当時の資産は、貯金5000ドルと、年金3100ドルだけでした。その彼女が、1995年に101歳という長寿を全うし、遺産のすべてが寄付されました。その金額が2200万ドル(約20億円)だったというのです」(富雄さん)
「決して経済的に恵まれた人生ではなかった彼女が、退職してからの50年で20億円もの資産をどうやって築いたのか、とても興味を持ちました。ひょっとして、彼女の10分の1くらいなら自分にもできるかも・・・あなたも、私と同じような感覚になったのではないでしょうか? 『自分にもできる』と」(同)
その後、富雄さんは、お金に関する本を読みあさり、そこで得た情報を基に、実際にトライ&エラーを繰り返していったということです。
富雄さんは、あとがきで「『お金のこと』は、私たち人生における重要なテーマの1つです。しかし残念ながら、学校や社会で教わることはありません。『お金のこと』は自分で学ぶしかありません。本書にもありますが、日本の給料はここ30年間ほぼ横バイです。収入を増やすには、資格取得や転職、副業などが定番になっています。それらは全て『自分が働く』ことが前提です」と解説しています。
ただ、「あなたが『お金のこと』を知り、お金とより良い関係を保つことができれば、精神的にも経済的にも、豊かな人生を送ることができます。また、そのノウハウは、一生涯にわたって役立つものになるでしょう。ただし、人生におけるお金はあくまでも手段であり、『本当に大切なものはお金で買えないものもある』ということも忘れないでください」と、お金にばかり捉われてはいけない点も強調しています。
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