クレジットカードの最高峰と言われる「ブラックカード」をご存じでしょうか。ブラックカードとは、2000年ごろに話題となったプレミアム機能付きのカードのこと。最近、40代以降の、いわゆる「Fecebookオジサン世代」で流行の兆しがあるとの話を聞きました。

 

筆者も同世代ですが、実態はどうなのでしょうか。

 

画像は筆者撮影による

 

■ブラックカードはどうやって取得する?
2000年当時、ブラックカードと言われていたのは、アメックス「センチュリオン」、ダイナースクラブ「プレミアム」、JCB「THE CLASS」の3種類です。筆者は、ダイナースクラブ「プレミアム」、JCB「THE CLASS」、アメックス「プラチナ」を所持していました。取得するには、インビテーションかホルダーの紹介が必要です。

 

メリットもありましたが、リーマン・ショック以降、不況の波がカード業界にも押し寄せます。アメックスは米国での使い勝手が悪く、利用できる店舗も少なかったこと(現在は不明)、すでに枚数制限をかけていたので「センチュリオン」取得が難しかったことや、各種アップグレードがなくなったので早い段階で整理しました。

 

ダイナースクラブ「プレミアム」はアップグレードが魅力でした。しかし、米国シティグループは、サブプライムローン危機で過去最大の赤字を計上します。同時にアップグレードを含むサービスの変更、24時間対応の打ち切りがあったことから整理しました。今でも所持しているのは、JCB「THE CLASS」のみです。日本唯一の国際ブランドであることや、ベネフィトが充実していることがメリットです。

 

SAISONゴールドカードはサブカードのメインで利用しています。もう少し枠が拡大すると、SAISONブラックカード(フェイス黒)が発行されます。しかし、これは外商用なので筆者には不要です。

 

当時のブラックカードはサービスが充実していました。例えば、スタンダードシングルがジュニアスイートに、エコノミーがビジネスクラスに簡単にアップグレードしたからです。スマホもなく、ケータイはネット環境になる前です。困った時のデスクは便利でした。

 

そして、筆者にとって、ブラックカード同様にありがたいのが「VIEWカード」です。新幹線利用の多い筆者にとっては大きなメリットです。しかし、ブラックカードでも所詮はカードにすぎません。所持することで財力や信用力を担保することはできません。

 

投資家のウォーレン・バフェットや、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツがアメックスのノーマル(グリーン)を使っているのは有名な話です。いずれにせよ、クレジットカードは「ライフスタイルにマッチしたものを所持すべき」と言えるでしょう。

 

また、数年前に、「Facebookおじさん」が話題になりました。ひと言で解説すると、自己承認欲求の強いおじさんですが、定義があるようです。


・自撮りや筋トレの写真などを投稿
・自分語りをする
・文章が長い
・Facebookのテキストに背景色をつける

 

筆者は「Facebookおじさん」以外に、3つのタイプが存在すると考えます。

 

■最近、増殖中の新しい人種がいる

それが、「ブラックカードおじさん」「シュプリームおじさん」「アルマンドおじさん」です。「ブラックカードおじさん」は説明するまでもないので、「シュプリームおじさん」「アルマンドおじさん」について解説します。

 

【シュプリームおじさん】
シュプリーム(Supreme)は米国のファッションブランド。他ブランドやアーティストとのコラボが有名で、ナイキ、ルイ・ヴィトンなどが有名です。コラボ商品は点数が少ないため高額取引されています。「シュプリームおじさん」とは、おじさんが、ジャケットの下にシュプリームのTシャツを合わせて、キャップを合わせた格好のこと。

 

【アルマンドおじさん】
アルマンド(Armand)は高級シャンパンのこと。従来、君臨していたドンペリは、誰でも入れられる酒として価値が下落してしまいました。こうなると、見栄を張りたい中年おじさんを満足させられません。キャバ嬢の新定番とも称されるアルマンドは、インパクトとオシャレ感は抜群。お店の売り上げに貢献し、お目当てのキャバ嬢もご満悦です。

 

シュプリームでお洒落に武装し、アルマンドを抜いて、ブラックカードで支払いをするのが、イマドキのおじさんの最強スタイルです。痛そうに見えるかは、相手次第です。

 

おじさんであることを受け入れられず、「心はまだまだ20代」みたいな人は少なくありませんが若者から見て「痛いおじさん」が多いことは事実。流行についていこうと必死ですが、イマイチ外しています。まずは、自分を客観視することが大切です。私も同世代ですが、皆さんもそう言われないように気をつけましょう!

 

五輪の成功と、皆さまのご健勝と、夜の街が元気を取り戻すことを祈って一句。

「夏草や 二日酔いだよ アルマンド」 御造作!


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員