前の記事で、語尾についてお話ししましたが、ここでも注意点があります。それは、どちらの文末表現に統一したとしても、同じ語尾が続くと、平坦な文章になり、稚拙な印象を与えてしまうことがあります。以下の例文を読み比べてください。

<語尾が同じ場合>
東京航空は、安全運行に対する姿勢について以前から批判を受けています。航空整備士が不足し、整備ミスが相次いだことから、社長は国会に参考人招致されています。多くの人命を預かる航空会社としては不適切ではないかと問題視されています。安全面よりも利益を重視する考え方が顕在化しています。「安全安心」が求められています。

この文の語尾に変化をつけてみます。比較してください。

<語尾に変化をつけた場合>
東京航空は、安全運行に対する姿勢について以前から批判を受けていました。航空整備士が不足し、整備ミスが相次いだことから、社長は国会に参考人招致されています。多くの人命を預かる航空会社としては不適切ではないかと問題視され、安全面よりも利益を重視する考え方が、当時から顕在化していたことがわかりました。「安全安心」が求められています。

同じ語尾を連続させないことで、メリハリをつけることができます。たかが語尾ですが、その語尾次第で文章全体の印象が決まることを覚えておいてください。

 

先ほどの、「です・ます」調であれば、「でしょう」、「ます」などに、「だ・である」調であれば、「~なのだ」「~思う」などに置き換えて使うなど工夫しましょう。


それだけで文章のクオリティーはぐっとアップします。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員