自分が進めたい商品やサービスにおいて、明確にターゲットがしぼりこめている場合は問題ありませんが、いったいどのレベルまで、自分の書いた文章を読んでもらいたい相手をしぼりこむべきか、悩む人もいるのではないでしょうか。
 

私はニュースサイトに記事を書くとき、より具体的に読者をイメージするようにしています。たとえば、グルメ情報について書く場合、「食べることに関心がある人」という設定だけでは、しぼったことになりません。
 

グルメといっても、トレンド、価格、店、地域性、食と健康など切り口はさまざま。ターゲットをグッとしぼることで、どんな料理、どんな店を紹介するのかが決まります。

 

仮に、〈男性、20代、サラリーマン〉に向けたグルメ記事を書くとしましょう。これをさらに具体化してみます。首都圏在住/中堅企業勤務/年収400万円程度/営業マン/彼女が欲しい/昼食外食ともに外食。

 

このように設定すると、記事の内容は、


 ・ボリューム満点、コスパにいい店
 ・サラリーマンの聖地、新橋のトレンド
 ・合コンに適した話題の店
 ・B級グルメ
 ・接待にいい店、上司にほめられる店

 

などのテーマが考えられます。

 

ライフスタイルは人によって異なり、文章が読まれる環境もさまざま。ですから、文章を書く際は読み手の生活事情を想定して文章を書かなくてはなりません。読み手を明確にすることは、文章のテーマ(切り口)を決めることにもつながるのです。


誰に向けた文章なのか、どういう行動をうながしたいのか、さまざまなイメージを思い浮かべるのは、文章を書く上で大きな意味を持ちます。

 

文章を書き始めてからも、言葉や表現に迷うこともあるでしょう。そんなときはいったん立ち止まり、ターゲットを今一度明確にイメージすることが重要です。


文章を読んでほしいと思っている、または自社の商品を買ってもらいたいと思っているターゲットの顔、体形、生活スタイルなどを細かく具体的にイメージして書くことで、おのずと「この言い方は刺さるな」「これはピンとこないかも」と、判断できるようになるはず。

 

凡庸な文章を書くよりも、広いターゲットを想定して、深い情報性を持ち、全体的に迫力や吸引力のある文章に仕上げること。こうして、よりターゲットの心に刺さるものを書くことで、あなたの伝えたい内容も伝えたい相手にきちんと伝わるはずです。

 


6月8日、17冊目バズる文章」のつくり方(WAVE出版)を上梓しました。

よろしければ、ぜひお手にとってみてください!

 

尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員