あなたは、自分の市場価値を考えたことがありますか――。

ここに、YouTubeチャンネルを通じて、「仕事術」「キャリア戦略」「日々の生活の質向上」「マネーリテラシー向上」など、ビジネスマンに役立つ知見や情報を発信しているある会社員がいます。YouTubeチャンネル登録者数は約20万人。企業に根強く残る古びた文化や慣習に対して新しい切り口で解説しているのです。それは、ハック大学のぺそさん。

■あなたは自分に値段をつけられますか!?
「あなたの価格はいくらですか?」「あなたの強みはなんですか」。すべてのビジネスパーソンは、常にこの質問と向きあう必要があります。

「もちろん、『臓器の値段がいくらだから、身体全体で○○○万円』といった話ではなく、労働マーケットにおいて『あなたがどれくらいほしがられているのか』、ここが大切なテーマです。スーパーに行くと、野菜や肉が値札を貼られて売られています」と、著者のぺそさん。

「私たちに物理的に値札がつけられることはありませんが、あなたの口座に毎月振り込まれる給料や半年ごと、もしくは年度ごとに振り込まれるボーナスは、まさに野菜に貼られている値札のように『労働マーケットにおけるあなたの価値』を表すことになります」

つまり、私たちが所属する会社は、生み出す労働力、付加価値に対してサブスクリプションサービスのように、あなたに報酬を支払っていることになると、ぺそさんは言います。

「あなたは今サブスクリプションサービスを契約していますか? 定額で音楽を聴いたり、映画を見たり、ウォーターサーバーなどを契約しているかもしれません。契約するとき、『月額いくらでどういったサービスを受けられるのか』と考え、場合によっては似たサービスと比約をしながら、『まあ、このサービスでこれくらいなら契約しても良いかな』と判断しているはずです」


「私たちの労働力にも、同じ話があてはまります。どういうことかというと、書類選考や面接を通して、『あなたの働きっぷりなら年収いくらを支払っても良いですよ』という判断をした会社があなたと契約をしています。新卒採用と中途採用では判断基準が大きく異なってはくるものの、私もあなたも大枠ではこういった構造の中で働いているのです」

ペソさんはわかりやすく、そう説明します。

「市場価値」を理解すれば、私たちを取り巻く仕組みを理解することができます。私たちが存在する社会にはこのようなルールがあることを理解しておかなければなりません。

■あなた自身を自己分析しましょう
自分の付加価値をアップデートしていない人は、何年経っても収入がアップせず労働環境も改善されません。会社が雇用し続けてくれればいいですが、いつリストラや派遣切り、アウトソーシングへの移行にあうかわかりません。企業の寿命、商品の寿命はどんどん短くなっていることを理解しなければなりません。

また、どんなに頑張っても、斜陽産業の既存の仕事だったら付加価値をつけることは難しくなります。たとえば、購読数が下がっている新聞配達の仕事、データ入力の仕事、コールセンターの業務などは、対応できる件数を簡単には増やせられません。

 

仕事のライフサイクルは短くなり、仕事はAIやロボット、アウトソーシングに置きかわっています。アナタはこの時代をどのよに生きていきますか?

 


※17冊目となる、バズる文章」のつくり方(WAVE出版)を上梓しました。

尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員