総じて何が言いたいのかわからない文章も存在します。

以前、商品企画のコンペに出て、結果を知らせるメールのが届いたのですが意味がわからなかったことがあります。次のような内容でした。

 

----ここから----
○○社 尾藤様

お世話になります。

先日のご提案の件で上司と相談したところ一定の理解を得られました。
部内ではスケジュール的に難しいのではないかという意見がありましたが、再度説明をしたところ問題点は払拭できました。
昨年並みの予算を計上しておりますが、昨今の不況にから予算削減の動きがあり1割程度の減額をお願いしてはどうかと上司に言われました。

上司と何度も話し合ったのですが意見は変わりませんでした。

私としては御社に発注したいのですが、意見がまとまらずいったん見送らせてください。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

----ここまで----


結果的には、発注されなかったのですが、変にもったいぶっているので何が言いたいのかよくわかりませんでした。


時折、結論に至るプロセスを長々と説明する人がいます。

説明が明瞭であればいいいのですが、このようなメールでは混乱を招くだけです。


経緯の説明はまったく不要とまでは言いませんが、相手にとって関心があるのは「合否の結論」です。結論を伝えるようなメールの場合はできるだけシンプルにまとめたいものです。


また、必要がないなら、その部分の文章を構成すること自体がムダになります。

わかりやすい表現を用いるようにしましょう。
 

メールの使い方には「知性」がにじみ出ますから注意が必要です。

 


17冊目、「バズる文章」のつくり方(WAVE出版)を上梓しました。

尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員