「日本人の3人に1人は痔(じ)」と言われています。しかし、オシリの状態は自分で見ることができません。どんなにネットで情報を調べても、自分で症状を把握することはできません。 今回は肛門科医の佐々木みのりさんに「オシリの真実」について伺います。近著に「オシリを洗うのはやめなさい」(あさ出版)があります。

 

■痔の根本治療には何が必要か

「椅子に座って事務仕事をしているとき、何となく、オシリが冷たいなあと思って立ち上がったら、座布団が血まみれだった」「尿もれしたような感覚があり、下を見たら、座布団が血まみれだった」など、痔からの出血にまつわるエピソードはたくさんあるようです。 

 

「今まで全然、症状がなかったのに突然、出血することがあります。しかも、痛みが全くないので自覚症状がありません。いつ出るか予測もできません。仕事中に座布団が血まみれになった患者さんは職場で大慌てして、周りの人には痔だと言えず、生理の出血ということにしてごまかしたそうです。やっぱり恥ずかしくて言えませんよね」(佐々木さん) 

 

「自分が痔であることを自覚している人が多いですが、中には全く痔に気付いていなくて、出血で初めて、痔に気付く人もいます。もう大騒ぎです。がんじゃないか…って心配して来られます。イボ痔(痔核)は徐々に大きくなるので、その存在に気付いていない人も実は意外と多いです。特に内痔核だと、小さなうちは肛門の中に収まっていますから、脱出症状もありません。全く気付かないわけです」  

 

痛みも出血も何の症状もなければ、その存在に気付きません。そして、突然、出血して、その存在に気付くことになりますが、その衝撃はかなり大きいと佐々木さんは言います。 

 

「治療に痔の薬を使うケースが多いですが、便通を直さずに痔の薬だけ使っても根本的な治療にならないため改善しません。そこで、注射療法をすすめられることも多いのですが、便通を直さずに注射療法を受けても、また時間がたつと出血を繰り返すようになります。そのたびに何度も何度も繰り返し、注射療法を受けている患者さんもおられますが、注射療法の思わぬ副作用や後遺症、合併症で苦しむケースもあるわけです」 

 

「うちの診療所では、ジオン注射は行っていません。便通を直したら、翌日から、ピタッと出血が止まって、血が全然出なくなった!という患者さんが多いです。だから、注射療法の必要性を感じません。痔の根本治療は、痔になった原因である便通を直すことだと思っているので、当院ではまず、便通を直すことから始めます。治療の第一歩は正しい排せつからです」

 

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17冊目、「バズる文章」のつくり方(WAVE出版)を上梓しました。

尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員