間違いが多い慣用句の続きです。

 

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綺羅星のごとくの間違った使い方
A氏:あそこにいるのは当社の経営陣です。
B氏:「綺羅星のごとく」ですね。


「綺羅星のごとく」は「綺羅、星のごとく」と読むのが正解です。「地位や権勢」を意味しますが、同時に「うわべだけの人」にも使います。綺羅とは薄い絹糸の服のことです。

「合いの手を打つ」の間違った使い方
A氏:前奏が始まったら「合いの手を打つ」ように。
B氏:合いの手を打つのは難しいです。


このように「合いの手を打つ」を使う人がいますが、正解は「合いの手を入れる」です。手拍子や声かけのことです。合いの手は手拍子ではなく、楽曲そのものをさします。

「上には上がいる」の間違った使い方
A氏:残念だが予選敗退だ。
B氏:「上には上がいる」ってことですね。


「自惚ぼれを戒める」という意味で「上には上がいる」を使いがちです。正解は「上には上がある」となります。「上には上が」の対象が人ではないので「ある」になります。ちなみに、「上を見れば方図がない」も同じ意味です。

「気が置けない」の間違った使い方
A氏:脱税の件で税務署が嗅ぎまわっているという噂だ。
B氏:それは「気が置けない」状況です。

 

「気が置けない」を、「警戒すべき」という意味や、「気配りや遠慮を必要とする関係」として使っている人がいますが誤りです。本来は、「仲がよくて遠慮しなくてもいい関係」に使います。また、必ず、人に対して使う表現です。

 

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皆さんは何問わかりましたか?

 


いつもお読みいただき有難うございます!

尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。