慣用句とは2つ以上の単語が連結して、異なる意味で定型句として使われるものです。

 

使いこなせれば文章の質もアップし表現力も豊かになります。慣用句は、長い間使われてきた便利な言葉ですが、意味を間違えて使われている場合が多いので、注意が必要です。


ここでは、私が文章術やライテイングの講座などを通じて、一般的に間違えやすいと思われる慣用句を紹介します。うっかり間違ったまま使うと、恥をかくことがあります(以前は、わたしもよく間違えて使用していました)。

 

自信がない方は辞書を見ながら意味を理解して使うようにしましょう。
理解すればあなたの語彙力は間違いなくアップします。

 

「敷居が高い」の間違った使い方
A氏:昨日、社長と赤坂の料亭に行ってきたよ。
B氏:赤坂ですか。僕には「敷居が高い」です。


「敷居が高い」を「レベルが高くて自分には分不相応」という場合に用いるのは間違いです。後ろめたいことがあって「もう一度行くには抵抗がある」ことを表します。

 

----ここから----

「檄を飛ばす」の間違った使い方
A氏:最近の営業は気合いが入ってない!
B氏:「檄を飛ばし」ますか。


「檄を飛ばす」は「激励する」という意味ではありません。「広く世間に知らしめること」です。この文脈なら「活を入れる」が適切です。なお、某番組での張本さんの「喝!」は誤用です。

 

「憮然」の間違った使い方
A氏:ウチの逆転勝利だ!
B氏:相手は怒りで「憮然」としていました。


「憮然」は「腹を立てている」という意味で使われがちです。本来は失望、落胆している状態を表します。この場合は、「憤慨」や「激怒」を使いましょう。


「さわり」の間違った使い方
A氏:明日のプレゼンの役割を決めよう。
B氏:最初の「さわり」の部分は僕がやります!


「○○のさわり」は、「最初の部分」という意味だと思われがちです。しかし、本来は「話が盛り上がるポイント」のことをいいます。つまり、要点や最も印象に残るところを指します。

----ここまで----

 

皆さんは間違えずにわかりましたか?

 


いつもお読みいただき有難うございます!

尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。