皆さんは、「擬声語(擬音語+擬態語)」という言葉をご存じでしょうか?
フランス語で「オノマトペ」というもので国語の教科書にも載っています。
 

「擬音語」は犬の鳴き声を「ワンワン」、雨音を「パラパラ」などの音を表現する言葉です。「擬態語」は、「ピカピカの新車」「合格発表にドキドキ」などの様子を表現する言葉です。


細かい様子を伝えるときにオノマトペを使うと、ぐっとイメージしやすくなります。


たとえば、「早く提出してくれ」と言うよりも、「チャチャッと手伝って」と言うほうが親しさを感じます。また、「気合いを入れろ」よりも、「ビシッと頼むよ」のほうが優しい印象がします。

 

「ホカホカのご飯」、「今日はワクワク」のほうが伝わりやすくなります。
さらに、オノマトペを使うとカドが立ちづらくなります。


そしてオノマトペには、読者の感情に訴えやすいというメリットもあります。擬声語、擬態語は臨場感や躍動感を演出するにはもってこいの言葉です。

 

日本語にはたくさんのオノマトペがあります。


○擬音語・擬声語……実際の音を描写した言葉
メーメー、ドクドク、ガチャン、ゴロゴロ、ガタンゴトン、ブーブー、パチパチ、チャリン、ドカン
○擬態語……身ぶりや状態、様子、感情などを音で表した言葉
バラバラ、ギラギラ、ピカピカ、ワクワク、ドキドキ、メロメロ、モクモク、キラキラ、ムラムラ

 

それではオノマトペを実際に使って文章を作成してみましょう。一緒に考えてください。


(例)新しい車を買った。
→ 新しい車を買った。ピカピカだ。


(例)誕生日ケーキを買ってきてくれた。
→ 誕生日ケーキを買ってきてくれた。うれしくてジーンときた。


(例)できたてのピザはチーズが溶けていておいしかった。
→ できたてで、熱々のピザを食べた。チーズがとろりと溶けて歯ごたえも抜群だった。

 

同じ状況を文章にしているにもかかわらず、擬態語を入れた例文は、イメージが目に浮かび、感情の高まりや、リアリティを感じるのです。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。