私たちが社会生活を送るうえで文章を書くことから逃れることができません。その中でもとりわけ重要で、うまく書くのが難しいのがビジネス文書。


ビジネス文書は日常的に送るメールなどとは異なり、書き方を間違えると自らの評価はおろか、取引先や、上司、同僚など周囲に多大な迷惑をかけてしまいます。そのため、最初に基本スタイルを覚えてしまうといいでしょう。


基本スタイルとは、文章の構成要素のことです。すべての文章には必要とされる要素があるので、それを覚えてしまうことです。


あなたがお客さまに対して、プレゼンをする機会があったとします。企画書を用意しなければいけません。このとき、企画書の構成要素に合わせて作成する必要があります。


企画書を作成するには流れが非常に重要です。単純にテンプレートに当てはめるのではなく、企画書の目的や伝えたいことを明確にしたうえで構成を考えていきます。

 

ここで1つ事例を挙げてみます。

 

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【企画書の目的】
医薬品メーカーA社が新商品の風邪薬をドラッグストアK社で販売したい。


【企画書の主な内容】
①現状分析
風邪薬の市場規模、および消費者人数について調査します。さらに、A社の売上高や店舗数の推移を調査し、現在の医薬品業界における同社の立ち位置を分析します。


②環境分析
K社を含むドラッグストア業界の動向を考察します。各営業拠点のマーケットを分析して売上予測を算出します。公的情報については厚生労働省のデータなどを活用します。


③他小売業との競争の変化を分析
同業他社だけでなくスーパー、コンビニエンスストア、ネット販売での医薬品販売の伸び率を調べ、K社の売上と比較検討します。


④消費者動向調べ
流通経済の情報から、医薬品購入の消費者の動向をチェックします。これらの情報をもとに、有益であることが伝われば企画が通る可能性が高くなります。

---ここまで---


企画を通すには説得力が欠かせません。目の前に存在しないものを相手に想像させるには、長々と文章で書くよりも、チャートや図、データなどを多用したほうが有利です。

 

そこには一般の文章に必要とされる、面白さ、楽しさ、ワクワク感などは不要です。


さらに、相手の合意を得るためにも、適切なストーリーラインを作成したほうがいいでしょう。員などは、企画書を隅々まで読むことがありませんから、エグゼクティブサマリーを用意します。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。