簡単そうで難しいのが接待です。「相手との人間関係ができているなら、何を飲んでも構わない!」と言う人がいます。

 

確かに、その通りですが、ビジネスでのお酒の失敗は少なくありません。アルコールを飲まないことをおすすめしますが、全く飲まないわけにはいかないときもあると思います。

 

さてどうすればいいでしょうか?


まずはチョイスする飲み物を考えましょう。失敗しないためにも酔いにくいお酒を選択する必要があります。私はウーロンハイにしていました。フレンチもイタリアンも和食のときも同じです。最初の一杯をウーロンハイにし、時間を掛けてゆっくり飲むのです。

 

フレンチやイタリアンの場合、焼酎を置いていないケースがあります。このような場合は、日本酒のウーロン茶割り(かなり薄め)が理想的です。


同席者ができあがってきたらしめたものです。ドリンクを下げてウーロン茶に変更します。色は同じですから、ウーロンハイを飲んでいるように見えます。

 

「お前も飲んでいるか?」と聞かれたら、「飲んでおります。ウーロンハイをいただいております」と答えれば、雰囲気を壊すこともありません。

 

あとはテーブルの片づけに集中します。空いたお皿があれば片づけます。小皿が足りなくなれば用意する。こうしているうちに、同席者はお酒が入って饒舌になりますから、後は飲むふりをしながらせっせと仕事に徹してください。

 

接待の席でお酒を控えたほうが良い理由は、お酒のトラブルやミスを防ぐためです。お酒で失敗した覚えのある人はそれなりにいることでしょう。


宴が始まって2時間が経過したら、料理の配膳状況を確認して、客人の様子を見ながらお開きにするのか見定めてください。「宴もたけなわ」が絶好のタイミングです。

 

「時計を見る」「スマホを気にしている」「なんだか落ち着きがない」など、態度に注意してください。そして、「お時間大丈夫ですか」「何かご予定がありますか」と声を掛けるのが効果的です。散会になったら、本日の御礼をして、お見送りをするまでがあなたの仕事です。


中にはお酒が飲めない人もいるでしょう。次のように切り返すのがベターです。


「昨日から風邪気味で、先ほど薬を飲んでしまいました」


お酒と風邪薬のセットは厳禁というほど、危険な行為とされています。通常であれば、薬を飲んだ人にお酒をすすめることはしないはずです。


また、このような場所で注意しなければいけない話題があります。たとえば、会社に対する不平不満、他人の悪口や誹謗中傷です。よく周囲の観察をしてください。どこの居酒屋でも人の悪口を肴に酒を飲んでいる人がいるはずです。


「社長の方針がすぐにブレる」「嫌な仕事ばかり押し付けやがって」「自分たちはおいしい思いをしやがって」など。当人が在席しない飲みの席は、思いの外、盛り上がります。


あとで誰かに誤解をされないためには、まずは飲まないことです。お酒を飲まなければ判断を間違えることはありません。「私は部門の指示に従うだけです」「部長の期待に応えられるように頑張りたいと思います!」と答えればいいのです。

 

酒席では本音を言う人が多いのは確かです。それをよしとする日本の風潮もありますが、あなたもその風潮に乗ってしまうことはどうでしょう。まずは相手を観察するようにしましょう。


「ホント、部長は腹が立つよな」と言われても、「私にはそのことはよくわかりませんが、部長は会社のためを思って色々と頑張っておられます」とかわすのがよいでしょう。

 

私見を述べたり話を逸らすことなく淡々と対応するのが得策です。
 

飲み会で上司や会社批判をして評価を下げる人は少なくありません。自分に自信があり仕事ができる人なら、他人の悪口は言わないものです。これに乗ってしまうのは、未熟であると他人に公言しているようなものです。気を付けなくてはいけません。

 

本日のまとめ!
・お酒の席で失敗しないよう、酔いにくい飲み物を選ぶ。
・「風邪薬を飲んでいる」と言えば、お酒は飲まなくてすむ。
・居酒屋では無用の誤解をさけるために人の悪口は言わない。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。