第一印象はなんで決まるのか? それは表情によって決まります。人は自然な表情にノンバーバル(身振り手振り)を交えて話す相手に好印象を抱く傾向にあります。

 

視線の合わせ方も重要です。会話をする際に、眼を合わせたほうが良いのは30~40秒です。それ以上になると圧迫感を覚えて、逆に少なすぎると自信なさ気な印象を与えてしまいます。
 

「背が高くて痩せ型で色白。知的に見えるが、繊細で神経質そうな印象がする」だったり、「背は低く小太りで色黒。ガッツがあり細かいことにはこだわらない印象がする」等と、パターン化された思い込みによって印象は作られます。

 

2つの印象のうち、時を経て残るのは「神経質」と「背が低く小太り」です。他人から勝手に抱かれた印象が、人間関係に大きな影響を与えることが多くあります。場合によっては、その人の評価にも影響を与えてしまうのです。

 

これは、企業内における人事評価を考えればわかりやすいかもしれません。人間が評価する以上、感情を完全に排除した精緻な評価をすることは不可能です。

 

好きな相手と嫌いな相手。同じ成績であったとしても、実際には好きな相手には「良い印象」を、そして嫌いな相手には「悪い印象」を抱くものです。


このように考えると私たちの人生は印象が大きな影響を与えていることがわかります。

進学や就活でも、似たようなことは起こります。テストの合格点には達しているにもかかわらず、面接の印象が悪くて不合格になってしまうこともあります。

 

結婚や恋愛でも、最初の印象が悪いと、その相手の中の悪い印象を覆すことがなかなかできず、恋愛が成就するまでに時間が掛かったり、思いが叶わなかったりもするのです。

 

フェアと考えられているスポーツの審判の判定にしても、一方にだけ厳しくなることが時にしてあるのは、皆さんもテレビの中継などでご存知でしょう。

 

つまり、世の中は固定観念や先入観によって成立する部分もあるということです。

 

人が勝手に抱く印象とは怖いものです。固定観念や偏見などの思い込み(他人から勝手に抱かれた印象)の内容が正確であるかどうかではなく、その印象を相手に一度でも与えてしまったら、それを基準に評価が決定付けられてしまうということです。

 

印象が評価につながるわけですから、相手に良い印象を持ってもらわなければいけません。表情、声のトーンやスタイルなど、直感的な部分は、相手に印象を与えるとなかなか別の印象に変えることはできません。これはトレーニングで改善するしかありません。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。