ではどのようなネタを用意すればいいでしょうか。

 

ネタ自体は誰もが共感しやすいわかりやすいものであれば構いません。たとえば、三重県出身の人であれば次のような挨拶が考えられます。

 

「伊勢神宮で有名な三重の出身です。伊勢神宮には一般的な神社ではよく見かける「おみくじ」がありません。理由をご存知ですか? 日本の総氏神『天照大御神』がいるので、吉凶を占うおみくじは必要ないということです。また、無事に詣でることが出来たこと自体が幸運だと言われているからです。本日はよろしくお願いいたします」


または、参加する場所にプロフィールを合わせる方法もあります。以前、私が名古屋で行われた会合に参加したときには次のような挨拶をしました。
 

「尾藤という名前は、藤という字が付いているので藤原氏の末裔といわれています。由来は、尾張藤原氏が語源になっています。尾張、つまり名古屋と関係性が深いのです。皆さんの周りにも、尾藤という苗字は多いのではないかと思います」


このように説明をされると「なるほど」と思うわけです。名前に限らず、時事ネタ、ビジネス分野で、相手が興味を持ちそうなエピソードを披露したら印象に残るはずです。

エピソードをまとめたら、それを上手く伝えなくてはいけません。これは話し方そのものより自分の実像がどのように伝わっているかを可視化した方がいいと思います。おすすめしたいのは、録画です。現在は、スマホで簡単に撮影ができます。

 

自分の姿を撮影して、仕草やトークなどをチェックするようにしてください。意外に身振りが大きくて落ち着きがなく見えることもあります。一度見れば、直すところもすぐわかります。
 

人の思い込みは勝手なもので、最初の数秒であなたの印象を決定付けてしまいます。だったら好印象を与えたほうが得策です。話し方のポイントは、断定系と体言止めは避けることです。ですます調で丁寧なほうが好感を持たれます。
 

以前、小泉元首相は貴乃花が優勝した際に、「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」、郵政民営化法案の際には「自民党をぶっ壊す」と言いました。

 

政治家という立場なので有権者から好意的に受け止められましたが、一般人が使えるトークではありません。どうしても高圧的に見えてしまうからです。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。