私は学生向けに就職活動のアドバイスをすることがあります。学生の学力低下を危惧する声が聞こえますが、上位ランクの学生に関しては、かつてないほど優秀な学生が多いことに驚かされます。

 

そうした中で、企業は「柔軟に対応する姿勢」「既成概念に捉われずチャレンジ精神を持ち続ける姿勢」を学生に求めています。

 

優れた知識や情報、技能を持っていたとしても、あっという間に時代遅れになるリスクがあるからです。常に他の何かによって代替されるリスクがあるわけです。

 

自然科学者の、チャールズ・ダーウィンは、「この世に生き残る生物は、変化に対応できる生き物だ」という考えを示しました。私たちが、毎日見ている景色は一面でしかなくて、私たちの目が届かないところで多くの変化が進行しているのです。
 

「すぐやる人」は自分をアップデートすることを忘れません。やらない人は現状に固執します。そして変化に対して恨み言を言います。こうなると完全に置いていかれます。

 

私のようなコラムニストにも言えることですが、情報は常にアップデートしなければいけません。取りあえず収集して精査する。情報に触れないことには評価ができません。

 

ニーズがあれば、なぜニーズがあるのかを考えます。流行のものがあれば、なぜ流行っているのかを考えてみます。アップデートするには参考にするソース(情報源)を変化させなければいけません。

 

ソース先そのものや年代、専門を変えてみることも一考です。ソースを変えるということは、それまでよりも「事実」の見え方が異なってきます。この違いがわからなければソースを変えても何も学ぶことはできないでしょう。

 

なぜそうなるのか、どういう背景があるのかを考えてみるのです。そうすると、今までとは違った価値観があることに気が付きます。

 

海外には最先端の技術を使った新しいコンビニがあります。その名も「Amazon Go」。お客様が商品を手に取ると、その顧客のAmazonアカウントのカート内に自動で商品が入っていき、の出口で自動決済されます。

 

人件費が削減され、安く購入できるので利用者は今後増加するでしょう。これは世の中でレジ係が不要になっていくということを意味しています。


英国のオックスフォード大学のオズボーン氏が、2014年に発表した論文『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』によると、今後、10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されると論じています。

 

経営者からすれば、安くて確実、不平不満を言わないロボットの方が人間よりはるかに便利ということになります。私たちはこの現実をどのように理解すればいいのでしょうか。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。