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文章には、さまざまな機能があります。インパクトをもって効果的に伝えるために大切になるのが、「フック」です。読者の気持ちをつかむには、導入部分にフックとなる「何だこれは!」と思わせるような印象的な話題を用意しないと、次の文章に誘導できません。

 

特に最初の100文字は重要です。ここでフックが掛からないと読んではもらえません。フックで読者の心をつかみ、心を刺激することが重要なのです。ただし、フックが大事といっても、そればかりに意識が向くと過剰な書き方になったり、内容が伴わない文章になったりしてしまうので注意しなければなりません。

 

日常的な仕事でも、フックを意識していると役立ちます。たとえば、企画書、プレゼン、セミナー資料も同じことです。フックがあることで、相手は「そういうことだったのか!」と納得するからです。そのためには、フックが掛かった後、読者に期待することを明文化することも必要になります。

 

10年ほど前、ニュースサイトでコラムを書き始めた頃の話です。K氏の格調高い文章は、バイブルになると言われたことがあります。ところが今ではそうではないのです。文章や話し方は時代とともに変わるので、当然といえば当然のことなのでしょう。

 

経済学者の野口悠紀雄が、「さらなる」は文法上間違っているので公文書では用いるべきではないと主張しています。法学者の星野英一は、「すべき」は文法上間違っているので公文書には不適切だと主張します。いずれも正しい指摘です。

 

では、時代の変遷に左右されない普遍的なお手本とは何か。中原淳一は、少女雑誌「ひまわり」の昭和22年4月号に次のような文を寄せています。

 

「美しいものにはできるだけふれるようにしましょう。美しいものにふれることで、あなたも美しさを増しているのですから」

 

今の時代でも通じるようなクオリティーのコピーだと思いませんか。時代の変遷に左右されない普遍的なお手本とは、著者の技術的探求の結晶ではないかと思います。そして、時代を経ても解釈が変わることはありません。

 


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