■これ大事?

 

社内の打ち合わせが暗礁に乗り上げているようです。

こんな会話が聞こえてきました。

 

-----ここから-----
A氏:昨日から会議が平行線で長引いている
B氏:さすがに「煮詰まって」きましたね
-----ここまで-----


「煮詰まる」は成果が出ない状況で使われがち。
元々は煮物などで煮汁が少なくなることの表現です。

本来は、議論が出尽くして結論の出る状態のこと。
結論が出る寸前に用いるのが正解です。

 

平成 25 年度「国語に関する世論調査」(文化庁)によれば、

本来の意味とされる「結論の出る状態になること」の割合は次のとおりです。

50 代 (56.0%)

60 代(70.0%)

70 歳以上 (65.5%)

 

「結論が出せない状態になること」(誤用)の割合は40代以下で5割を超えます。

年代が下がるにつれて増加します。

 

なお、この文脈で使用するなら「テンパっている」が無難です。

気持ちに余裕がなくなること、焦りや不安で満ちた気分になることを意味します。

語源は、「短気」「かんしゃく」を意味する英語「temper」に由来すると言われています。

 


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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員

16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。