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※画像は「NHK for School」より引用

 

幕末から明治にかけて活躍した勝海舟は「政治家の秘訣は誠心誠意のみだ」と語っています。知識が豊富でも、誠心誠意に欠ける人物なら不適合という意味です。

 

昨今、問題となっている政治家の資質に関する問題も、知識ではなくモラル不足と考えれば納得がいくでしょう。最近は、不倫議員、パワハラ議員、政務活動費疑惑議員など稚拙な政治家ばかりが話題になりますが、昭和の時代の政治家は豪快でした。

 

■田中角栄は伝説化している
ここでは、田中角栄のすでに伝説と化しているいくつかのエピソードを紹介します。政敵の議員の母親が亡くなった際、生花店に依頼して一週間毎日、新しい献花を届けさせました。葬儀は氷雨の中で行われましたが、出棺の際には傘もささずに最敬礼で見送ります。これは、当時の新聞等でも大きく報道されました。

 

他派閥の有望な若手議員が入院したときには真っ先に駆けつけて見舞い金の入った封筒を渡したこともありました。翌日、派閥のボスが見舞いに訪ねますが、見舞い金は田中角栄より遥かに少なかったというエピソードがあります。

 

冠婚葬祭には顔を出すことで義理堅いところをアピールすることができます。関係者はこのような義理堅さをずっと覚えているからです。「あの先生は来てくれた」という行動として評価されるのです(時間は短くて構いません。来ることに意味があります)

 

田中角栄が幹事長時代の話です。選挙の軍資金を渡す際に、党で決定された金額を支給した直後、「キミの選挙区は厳しかったな。期待しているぞ」と追加で同じ額を渡します。田中角栄のお金の使い方は、サプライズを与えて生きた金を使う手法と言えるでしょう。

 

さて、皆さんは、辻立ちをご存知でしょうか。辻立ちとは街頭演説のことを指します。一般的には有権者に対して自らの政策を訴える方針といわれていますが、多くの政治家は選挙前にしかやりません。辻立ちの内容を通行人は聞いていません。ただし、「一生懸命に頑張っている」と強い印象を与えることはできます。

 

「政策」を訴えるよりも「共感」を与えた方が心に響くのです。これは、日常の私たちの仕事にも同じことが言えるのではないかと思います。共感とは、一番大事な親しみのある感情です。ビジネス面で、共感する力は、欠かすことができません。

 

■パフォーマンスは堂々とやれ
田中角栄が通商産業大臣(現経済産業大臣)だったときのエピソードです。通産省として最も大切な産業構造審議会で挨拶する予定でしたが、審議会に出向く前「おい、今日は誰かの葬式がなかったかね」と秘書に尋ねました。

 

その日、角栄の関係者の葬儀がありましたが、秘書は審議会を優先して、スケジュールを入れていませんでした。すると、大臣はこう言いました。

 

「結婚式だったなら君の判断は正しい。新郎新婦にまた日を改めて会いに行けばいい。だが、葬式は別だ。亡くなった人との最後の別れの機会だ。今日がダメならなぜ昨日、お通夜の日程を組まなかったのか」

 

田中大臣は審議会の前に時間を調整して、葬儀に向かいました。悲しみに打ちひしがれているときのお悔やみは効果があります。葬儀で顔を売ることも大切な仕事です。葬儀参列が後々の仕事にもつながっているのです。パフォーマンスと言われてしまえばそれまでですが、ここまで堂々と誠意をもってやれば嫌味にはなりません。

 


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